[ベルリン 13日 ロイター] - ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した8月の独ZEW景気期待指数はマイナス44.1で、7月のマイナス24.5から大幅に悪化し、欧州債務危機の最中だった2011年12月以降で最低を記録した。米中貿易戦争の拡大に加え、英国が欧州連合(EU)から強硬離脱しかねない中で、ドイツ経済の景気後退(リセッション)入りを懸念する声が強まっている。
ロイターがまとめたエコノミストの予想はマイナス28.5だった。
LBBWリサーチの主任エコノミスト、ウーベ・ブルケルト氏は「今回の調査はドイツ経済の景気後退リスクが一段と高まっていることを表している」と述べた。
現況指数はマイナス13.5。7月のマイナス1.1から悪化した。エコノミストの予想はマイナス7.0だった。
ZEW指数の発表を受けて、ドイツ株式市場のDAX指数 (GDAXI)はこの日の安値に下落した。エコノミストの間では、14日発表の第2・四半期の国内総生産(GDP)がマイナス成長になるとの見方が多い。
ZEWのワムバッハ所長は、ドイツ経済の見通しが大幅に悪化していると指摘。「米中貿易戦争の一段の激化、切り下げ競争のリスク、英国の合意なきEU離脱の可能性増大が、すでに低迷している経済成長のさらなる重しとなっている」とし、「これがドイツの輸出と鉱工業生産の動向をさらに圧迫する可能性が非常に高い」と述べた。
独IFO経済研究所は四半期調査で、米中貿易戦争の激化に伴い世界的に景気見通しが悪化していると指摘。貿易の見通しは昨年の関税合戦開始以降で最低を記録しており「回答者は、個人消費や投資の減少、短期および長期金利の低下も予想している」と述べた。
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