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FJK Research Memo(9):森林発電事業の安定稼働と電力小売り拡大、建設系リサイクル事業拡大と収益性向上へ

発行済 2019-10-04 15:39
更新済 2019-10-04 15:40
© Reuters.  FJK Research Memo(9):森林発電事業の安定稼働と電力小売り拡大、建設系リサイクル事業拡大と収益性向上へ
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■成長戦略フジコー (T:2405)の成長戦略の軸は、森林発電事業の安定稼働と電力小売りの拡大により持続的な成長を目指すものである。

一方、主力の建設系リサイクル事業については、足元では廃プラ輸出規制の影響により需給バランスがひっ迫しているものの、基本的には建設業界の景気変動による影響を受けやすい事業特性であることから、多様な廃棄物の取扱いや取引先の分散、外注委託先の開拓などにより受入数量の安定化を確保するとともに、受入廃棄物の性状に合わせた単価設定(発電施設を含む)により収益性の向上にも取り組む。

また、収集運搬事業など周辺領域への拡充と既存事業との相乗効果も目指していく。

1. 森林発電事業の今後の見通し2017年6月期よりフル稼働している森林発電事業は、現在の発電施設(フル稼働)で年間約12億円の売上高(供給能力)が見込まれる。

したがって、安定かつ効率的な稼働を推進することが同社成長を後押しするとともに、少なくとも固定買取制度が適用される20年間は業績の安定と収益力の向上をもたらす可能性が高い。

一方、安定稼働に向けて最大の課題は、材料となる森林資源の確保ということになるだろう。

同社の発電施設は、森林資源の豊富な岩手県北部に立地しているため、岩手県はもとより、秋田県北部や青森県南部からの森林資源の確保ができるほか、発電施設周辺で操業している製材工場も多い。

同社が利用する木くずは年間9 万トンを予定しているが、近隣における製材に使えない木くずは推定40〜50万トン程度存在するものと見込んでいるようだ。

同社では、バイオマス発電施設の増加による木材仕入競争の激化も見据え、原木だけでなく、背板や端材、チップなど多様な形態による調達を確保していく方針である。

一方、地産地消型の事業モデルを推進する電力小売りは、自社の発電施設のほか、地元の他のバイオマス発電施設からの購入も進めることにより事業拡大を図っていく考えだ。

足元では、厳しい価格攻勢により大口の法人向けが苦戦しているが、同社では採算性重視の方針のもと、代理店経由による一般家庭向けを強化する戦略である。

2. 建設系リサイクル事業の方向性主力の建設系リサイクル事業については、各施設がフル稼働の状態が続いているが、廃棄物処理施設の事業用地取得から営業稼働運転を開始するまでに長期間を要することなどから、同業他社との事業提携やM&Aを中心とした事業拡大を目指している。

特に、廃プラ輸出規制の影響や首都圏における再開発など需要過多の状況が続くなかで、安定した外注委託先の確保や発電施設での受入れを始め、処理可能数量の拡大に向けて様々な対応を検討していく方針である。

また、収集運搬事業など比較的投資負担の少ない周辺領域への拡充と既存事業との相乗効果にも取り組む。

弊社でも、森林発電事業における電力小売り(一般家庭等)と強固な財務基盤を生かした建設系リサイクル事業の拡大が同社の中長期的な成長をけん引するものとみている。

特に、電力小売りについては、同社の発電施設だけでも12,000世帯から13,000世帯への供給が可能であり、地産地消型の事業モデルとして拡大余地が大きい。

特に、自然エネルギーへの理解や認知が浸透し、切り替えに対する心理的なハードルが払拭されれば一気に加速する可能性がある。

さらに販売実績の積み上げや販売ネットワーク(代理店)の構築等により、他社のバイオマス発電施設からの電力購入や隣接市町村への小売販売など、スケールメリットを追求する戦略にも合理性があると評価できる。

一方、建設系リサイクル事業においても、後継者問題などに直面している業界の中で、強固な財務基盤と最新鋭設備などに優位性を持つ同社がM&Aや業務提携等によって事業規模の拡大を図る機会は十分にあるとみている。

したがって、今後も電力小売りの進捗状況のほか、周辺領域(収集運搬事業など)への拡充を含めた事業拡大への取り組みに注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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