[シドニー 30日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した第3・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.5%上昇と、市場予想と一致した。ただ、伸び率は前期の0.6%から鈍化した。インフレ率と金利を「正常な」水準に回帰させる中銀の取り組みの難しさが浮き彫りになった。
CPIは前年比で1.7%上昇。こちらも市場予想と一致した。
基調的なインフレ率として注視される指標は中銀の目標レンジ(2─3%)を15四半期連続で下回り、統計開始後で最長を更新した。
項目別では、自動車燃料と果物・野菜の価格下落が最も顕著だった。価格が大幅に上昇したのは海外旅行やたばこ、保育料だった。
電気・ガス・水道の公共料金や持ち家の新規購入価格は前年比で若干下落した。
統計局のチーフエコノミスト、ブルース・ホックマン氏は「年率のインフレ率はなお低調だ。住宅関連費用の値上がり率が低いままで、一部で前年から値下がりしていることが原因だ」と述べた。
低インフレや景気の成長鈍化に対応し、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は6月以降、計75ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、政策金利は過去最低の0.75%となった。
住宅ローン金利の低下を受け、住宅市場における参加者の心理にはここ数カ月で改善がみられている。ただ、公式統計には効果がまだ表れていない。
中銀が重視するインフレ指標の1つであるトリム平均値は第3・四半期に前期比0.4%上昇し、伸び率は前期から横ばいとなった。前年比の上昇率は1.6%で、中銀の目標を下回った。
中銀が基調的なインフレ率として重視するもう1つの指標(加重中央値)とトリム平均値の平均は前年比で約1.4%上昇となった。