■米中通商協議を警戒し日経平均は2週続落前週の日経平均は下落した。
週間ベースでは2週連続での下げとなった。
週初18日の日経平均は、小幅高で寄り付いた後、マイナスへ転じる場面があるなど、その前の週末のNY株高の影響は限定的だった。
しかし、香港ハンセン指数の上昇を受けて日経平均は続伸した。
19日の日経平均は3日ぶり反落し、終日マイナスゾーンで推移した。
NYダウは続伸で最高値を更新したものの、米メディアが米中貿易協議を巡り「中国側は悲観的なムード」などと報じ、先行き不透明感から円相場が1ドル=108円台半ばまでの円高となったことが嫌気された。
19日のNYダウは複数の主要小売企業の決算が嫌気されて3営業日ぶりに反落し、20日の日経平均も続落した。
朝方にかけて米議会上院が「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決し、米中対立が激化するとの懸念が浮上したが、後場は10月9日以来となる日銀によるETF(上場投資信託)買いがあり下げ渋った。
米中通商協議が年内に第一段階の合意もできない可能性が報じられ、21日の日経平均は3日続落となり、11月1日以来となる約2週間半ぶりに節目の23000円を一時割り込んだ。
トランプ米大統領が香港人権法案に署名する見通しが報じられ、米中対立懸念の高まりが警戒されて前場の日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。
しかし、中国の劉鶴副首相が米中第1段階合意に前向きな発言をしたことが伝わったことで、後場にかけて下げ幅を縮小し、日経平均は終値で23000円をキープ。
米中協議の難航が懸念された21日のNYダウは3日続落となった。
これを受けて22日の日経平均は軟調な寄り付きだったが、直近3日間で400円近く下げていたことから押し目買いが強まり4日ぶりに反発。
後場は週末とあって模様眺めムードから伸び悩み、日経平均は74.30円高の23112.88円で大引けた。
物色的には、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が日本企業からの部品調達額を拡大する見通しを示したことで電子部品関連に関心が向かったことが特徴となった。
■中間配当金の再投資が下支え今週の日経平均は23000円を挟んだ往来相場が想定されるなか、3週間ぶりの反発を試す展開になりそうだ。
年内の第一段階合意という米中通商協議に不透明感が台頭してきたが、中国の劉鶴副首相がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に対して、協議のために月内に訪中するよう招請したことが伝えられて、過度な警戒感は後退。
いずれにせよ、NYダウ、日経平均ともに米中貿易協議と香港情勢のニュースフローに振り回される展開は続きそうだ。
こうしたなか、27日にはMSCI新興国市場指数が、中国A株の比率引き上げを開始する。
中国株にとって需給面でのプラス材料として働くことは東京市場にも間接的な支援材料だ。
ちなみに、25日には日経平均先物が中南米で初、海外ではシンガポール、米シカゴに続いて3例目となるブラジル市場B3(サンパウロ)に上場する。
一方、25日の10月シカゴ連銀全米活動指数を皮切りに12月第1週(2-5日)まで。
米国で各種経済指標の発表が集中する。
その内容に神経質な展開を強いられることも予想される。
感謝祭のため26日に米国市場が休場、翌27日は半日の短縮取引となることから、週後半は手控えムードも強まりやすい。
ただ、21日現在の東証1部騰落レシオが116.69%と直近ピークだった12日の142.34%から低下して割高感が後退する一方、日経平均23000円割れ局面では押し目買い意欲の強さも確認できている。
全般は先物主導のインデックス売買の影響の強さが継続しそうだが、需給的には市場推定で約4兆3000億円規模とされる3月期決算企業の9月中間配当金の再投資が12月中旬まで期待されて、相場の下支えとして働いてくる。
2000年以降、11月最終週と12月第1週の日経平均は上昇確率が高いというジンクスもある。
■ブラックフライデーが刺激材料物色的には半導体関連などハイテク株に利益確定売りが先行する中で、相対的に出遅れていた医薬・食品のディフェンシブ株や資源・エネルギー関連株に買いの輪が広がってくるかが焦点となる。
相対的にバリュー株(割安株)のパフォーマンスが注目されてきたが、26日にMSCIリバランスが予定されていることから、26日の大引けに掛けて個別株の動きは注意が必要となる。
また、29日の米ブラックフライデーに絡んだニュースも個別の株価を刺激しそうで、消費関連、ネットショッピング関連銘柄にも関心が向かいそうだ。
ブラックフライデーの売上速報は、例年通りならば12月1日か2日に出てくることになる。
ブラックフライデーの前日となる28日はファーストリテイリング (T:9983)の株主総会で、小売り・消費関連は注目されやすい。
■黒田日銀総裁講演や米感謝祭など主な国内経済関連スケジュールとして、26日は10月企業向けサービス価格指数、28日はパリ・ユーロフィナンシャルフォーラムで黒田日銀総裁講演(12時30分から14時頃)、10月商業動態統計、29日は10月失業率・有効求人倍率、10月鉱工業生産、11月消費動向調査が予定されている。
一方、海外主要スケジュールとして、25日はパウエルFRB議長講演、26日は中国アリババ集団が香港市場に上場、27日は米7-9月期GDP改定値、米10月耐久財受注、28日は感謝祭で米国市場休場などが予定されている。