[アムステルダム 25日 ロイター] - 投機的(ジャンク)等級に格付けされた欧州企業のデフォルト(債務不履行)に備える保険であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が前週末から急伸し、新型コロナウイルス危機を背景に金融市場が急落した3月以降で最大の上昇となった。
欧州では今週、新型コロナの急速な感染拡大を抑制する新たな措置が実施され、景気回復への懸念が浮上。これにより、欧米株式市場などリスク資産への売りが強まった。23日までの1週間でハイイールド債ファンドからの資金流出額は3月以来の水準に膨らんだ。
欧州の投資適格未満の企業グループの破綻リスクの目安となっているマークイット・アイトラック欧州クロスオーバーCDS指数
同指数の週間の上昇幅は3月20日までの週以降で最大だった。
ただ、欧州のクレジット・アナリストによると、今週のリスク資産の下落は資金を引き揚げる動きというよりも調整に過ぎないという。
ABNアムロのストラテジスト、シャナワズ・ビマジ氏は、財政・金融両面での支援策により、パンデミック(世界的大流行)が始まった当初よりもデフォルト率が抑制されるとの見方が広がったことで、リスク資産をアンダーウエートにする正当性がなくなったと指摘。欧州の安全資産に対するハイイールド債のリスクプレミアムが500bpを超えれば、ハイイールド債をオーバーウエートにする投資家が増えるかもしれないと述べた。
BofAユーロハイイールドインデックス (MERHE00)によると、リスクプレミアムは今週、431bpに上昇し、8月上旬以来の高水準となった。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200925T164048+0000