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東京外為市場・15時=ドル91円後半、ユーロ/ドルの戻りに限度

発行済 2010-06-08 16:00

         ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 91.75/79  1.1972/76  109.83/86

正午現在   91.66/71  1.1961/63  109.66/71

午前9時現在 91.55/59  1.1920/25  109.16/21

NY17時現在 91.41/45  1.1916/18  108.93/00

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 [東京 8日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点

から小幅高の91円後半で推移している。アジア株が緩やかに戻り歩調となったことでリ

スク回避地合いが和らいだ。しかし、株価の上値の重さから欧米からの株安連鎖に歯止め

がかかったかが不透明で、クロス/円やユーロ/ドルの買い戻しは限定的。つれてドル/

円の戻りも限られた。参加者は欧米株価が本格的に戻りに転じるかに注目している。

 ハンガリーの財政問題をにらんで神経質な地合いが続くなか、前日の欧州市場では3カ

月物ユーロLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が前日比0.75ベーシ

スポイント(bp)高と大幅に上昇。ハンガリー・リスクが金融システムに波及するので

はないかとの懸念が広がった。ダウ工業株30種<.DJI>が終値ベースで年初来安値を更新

するなど欧米株式市場の下落もあって為替市場の地合いもリスク回避に振れ、海外市場で

ユーロ/ドルは1.1912ドル、ドル/円は91.28円まで水準を切り下げた。

 しかし、アジア時間に入り、小幅安で始まった日経平均<.N225>などアジア株が緩やか

に上昇に転じたことで、地合いは買い戻しに転じた。実需筋やリアルマネーがクロス円に

押し目買いを入れたこともドル/円を押し上げた。ユーロ/ドルが1.1982ドルまで

70ポイント、ドル/円も91.88円まで60銭切り返した。

 ただ、株価の戻りは鈍く、前日380円と今年最大の下げとなった日経平均の戻りは終

値ベースで17円。上海総合指数<.SSEC>も前日比でプラス圏とマイナス圏を行き来する

展開で、海外からの株安連鎖に本当に歯止めがかかったかどうか「まだ不透明。きょうの

海外株式市場を見極めたい」(国内銀行)という。

 アジア株の戻りの鈍さを確認するとユーロ/ドルも伸び悩み「戻り売りを考えると安心

してショートカバーを入れられる状況ではない」(セントラル短資FX執行役員、武田明

久氏)との声が上がった。「1.20ドル前後では売りたいという参加者が多く、売り注

文のレベルが下がってきている。ハンガリーをにらんだ売りは一巡しているものの、欧州

周辺国や東欧への不安が強く、次のハンガリーを探す動きになっている」(国内銀行)と

の声も聞かれた。

 個人の証拠金取引も「豪ドル/円やニュージーランド/ドルを中心に、ドル/円も買い

から入っている。ただ、地合いに乗った動きで、長く持つのではなく短期で利食うための

ロングだ」(セントラル短資FX、武田氏)として、積極的に買い上げる動きにはならな

かった。

 <債務危機懸念のハンガリーは明日のギリシャ>

 ハンガリーの政府当局者がギリシャのような債務危機に陥る可能性を指摘した余波が続

いている。みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は、ハンガリ

ーが2008年の金融危機を受けてIMFやEUなどからすでに支援を受けていることを

指摘。その際に、当面の資金繰りには問題なくなったと強調していたことにも注意を促し

た。ギリシャは今回のEUなどの支援を受けて、資金繰り不安はないと強調している。

 唐鎌氏は、支援を受けたハンガリーがなお債務危機の可能性に揺れていることを受けて

「支援を受けてもやはりダメだった。ハンガリーの教訓は、問題が短期の資金繰りではな

く支払い能力にあるということだ。今のハンガリーの姿は、明日のギリシャではないのか」

としている。

 <ドイツの堅調な指標に反応しにくい地合い>

 7日に発表されたドイツの4月鉱工業受注指数(季節調整済み、暫定値)は、前月比

2.8%上昇した。ロイター予測の前月比0.2%上昇を上回り、「ユーロ安効果が表れ

てきた」(国内銀行)と受け止められている。

 きょうはドイツの4月貿易収支と4月鉱工業生産が発表される。ロイター予測はそれぞ

れ140億ユーロの黒字と前月比0.8%の増加。「堅調な結果になるだろう。とりわけ、

ユーロ域外への輸出の伸びがどの程度になるかを確認したい」(住友信託銀行マーケット

・ストラテジスト、瀬良礼子氏)という。

 ただ、為替の反応は限られるとみられている。ソブリン・リスクに神経をとがらせて好

材料に反応しにくくなっているほか「ユーロ圏のなかで、ドイツとそれ以外の国が逆方向

の動きになっている。これはユーロ圏の協調を壊す要因になる。ユーロとしては反応しに

くい」(住友信託銀行、瀬良氏)という。

   

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

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