(英文の訂正により9段落目の外国人労働者の減少幅を「50万人」から「17万8000人」に修正します。)
[ロンドン 23日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した2020年11月ー21年1月の失業率は5.0%となり、5.2%に上昇するとの市場予想に反して低下した。20年10─12月は5.1%だった。
年初に新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)措置が強化される中、職探しを諦めた人がいたことが一因となった。また、今回対象期間から外れた10月単月の失業率が高水準だったことも要因。
コンサルタント会社EY・ITEMクラブの英国担当チーフエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は「労働市場データは幾分まちまちの内容となったが、全体としてはかなり底堅かった」と述べた。
今回は学生、フルタイムで育児中の親、一時的に職探しを諦めた人など「求職活動をしていない(非活動)」潜在的労働力として分類される層の割合が拡大。「非活動率」は過去3カ月で0.3%ポイント上昇し、2019年初め以来の高水準となる21.0%となった。一方、被雇用者の割合は同時期に0.3%ポイント低下。これは14万7000人減に相当する。
納税記録を基にしたこれとは別の公式統計によると、2月の被雇用者数は前月から6万8000人増加。ただ、被雇用者総数は新型コロナ流行開始前だった1年前と比べ、69万3000人少ない水準となっている。
ONSの経済統計担当責任者、サム・ベケット氏は「この減少分の約3分の2が25歳未満、半数以上がホスピタリティー分野で、約3分の1はロンドンとなっている」と述べた。
平均賃金の伸び率は4.8%に拡大。2008年3月以来の大きさとなったものの、小売りといった低賃金セクターで雇用喪失が大きかったことを反映したものだ。
政府は先月、一時帰休の労働者向け賃金支援措置を9月末まで延長した。一時帰休がなければ、失業率ははるかに上昇していたとみられている。
ONSのデータによると、2020年第4・四半期の国内企業が雇用する外国人労働者数は、前年同期から17万8000人(訂正)減少した。
先月の別の労働市場調査データによると、2020年の外国人労働者の流出は過去最大規模となり、全体で100万人前後の外国出身住民が流出した。ただ、ONSはこのデータについて、移民の流れを測るものではないとして、扱いに注意を要するとしている。
*英文の訂正により9段落目の外国人労働者の減少幅を「50万人」から「17万8000人」に修正します。