[シドニー 17日 ロイター] - 豪連邦統計局が17日発表した5月の雇用統計によると、就業者数は11万5200人増加し、予想の3万人を大幅に上回る増加だった。フルタイム就業者数も9万7500人の大幅増だった。
失業率は4月の5.5%から5.1%に低下。ロックダウンの影響を受けた昨年7月の7.5%から大幅な改善が続いている。
豪中銀は強い労働市場を歓迎しそうだが、賃金を押し上げ、インフレの持続的な上昇につながるほど労働市場が引き締まるには数年かかるとも考えているだけに、難しい情勢判断を迫られそうだ。
CBAの豪経済担当責任者、ガレス・エアード氏は「最近の海外中銀による発言の変化からすると、豪中銀は非常にハト派的に思える。豪経済が比較的力強いことを考慮すればなおさらだ」と述べた。
豪中銀のロウ総裁は統計発表に先立ち、企業のコスト削減などを背景に、賃金は引き続きしばらくの間抑えられるとの見方を示した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ベン・ウディ氏は今回の統計について、豪中銀が7月理事会で債券利回り目標・資産購入プログラムを縮小する可能性が強まったと指摘。「われわれは中銀が次回会合で柔軟な資産買い入れプログラムを表明すると見込んでいる」と述べた。
ただ、「労働市場の回復がわれわれの想定通り維持されれば、中銀はわれわれが予期していたように、11月以前に資産購入を縮小することでその柔軟性を活用するかもしれない」とも付け加えた。