[ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が17日発表した5月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年同月比2.0%上昇し、欧州中央銀行(ECB)の目標値をわずかに上回る結果となった。エネルギーやサービス価格が上昇した。
エネルギー価格は前年同月比CPIを1.19%ポイント、サービス価格は0.45%ポイント、食品・アルコール・タバコは0.15%ポイント、それぞれ押し上げた。
変動の大きいエネルギーと食品を除いたコアインフレ率は前月比で0.2%、前年同月比では0.9%の上昇にとどまった。
ECBは物価目標を「2%を下回るがこれに近い水準」としている。
エコノミストらは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による二番底からの回復と最近の商品価格高が物価上昇圧力となり、年後半にはインフレ率がさらに上昇し2.5%に近づく可能性もあるとみている。
しかしECBはインフレ率の急上昇は一時的なものと予想。来年早々には物価上昇の要因が薄れ、今後数年間はインフレ率が目標値を下回ることになるため、緩和的な金融政策を維持する方針を示している。