[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が18日発表した5月の小売売上高は前月比1.4%減と、予想外に減少した。
ロックダウン(都市封鎖)の緩和を受けて、商店よりも飲食店での支出が増えた。ロイターがまとめた市場予想は1.6%増だった。
食品販売店が最も打撃を受け、売上高が5.7%減少。英小売最大手のスーパーマーケットチェーン、テスコがこれとは別に18日発表した第1・四半期の国内の基調的な売上高の伸びは急減速した。
ONSは「調査によると、接客業の制限措置緩和でレストランやバーなどでの飲食が再開したことが影響した」と指摘した。
一方、家庭用品店の売上高は9.0%増。ONSによると、アウトドア用品向け支出が寄与した。
多くのエコノミストは低調となった小売売上高データについて、必ずしも個人消費の低迷を示唆するものではないと指摘。新型コロナウイルス流行から経済が回復する中、ホスピタリティー業界が事業は活況と報告しているためだ。
ただ、コンサルタント会社パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームズ氏は、より最近のカード決済データは個人消費の伸びが失速している可能性を示唆していると指摘。「雇用支援措置の終了で雇用が減り、インフレ率が賃金の伸びに合わせて上昇する中、家計の実質可処分所得は第4・四半期に落ち込む見通しだ」と述べた。
また、英国内ではワクチンの接種進展にもかかわらず、「デルタ株」が急速に広がっていることも今後数週間の家計支出を妨げる可能性がある。
5月の小売売上高は前年同月比では24.6%増。予想中央値は29.0%増だった。