[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した5月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.9%減の580万戸と、4カ月連続でマイナスとなった。在庫が少ない中で住宅価格が過去最高を更新し、潜在的な購入者が遠のいている。木材価格の高騰で建設業者が供給を増やせない状況にあることから、住宅販売の減少傾向はしばらく続く可能性がある。市場予想は572万戸だった。
ジロウのエコノミスト、マシュー・スピークマン氏は「過去最高の価格上昇と持続的な住宅不足が潜在的な住宅購入の妨げになり始めていることは明白で、販売戸数は昨年末の勢いを取り戻すのに苦労し続けている」と述べた。
中古住宅販売戸数は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を回復。地域別では北東部と西部、人口の多い南部で減少する一方、中西部で増えた。
前年同月比では44.6%急増。新型コロナ感染第1波の拡大を抑えるために生活に必須でない事業が閉鎖を余儀なくされた昨年5月に売り上げが急減したため、前年比の数字はゆがめられている。
在庫が逼迫する中、入札合戦が激化しており、住宅価格は初めての住宅購入者が手を出しにくい水準に達している。販売価格中央値は前年同月比23.6%上昇の35万0300ドルと、過去最高を更新。伸び率も過去最高だった。
住宅市場の大半を占める一戸建て住宅の販売は1.0%減の508万戸と、昨年6月以来の低水準。集合住宅の販売は横ばいだが、都市部に戻る人が増えていることから持ち直しの動きが続く。
住宅在庫は前年同月比20.6%減の123万戸だった。5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.5カ月。前年同月は4.6カ月だった。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされる。
5月に住宅が市場で出ていた期間は17日間と、前年同月の26日間から減った。販売された住宅の89%が、市場に出ていた期間が1カ月を下回った。初回住宅購入者の割合は31%。前年同月は34%だった。