[ロンドン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日発表した6月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は59.2と、2006年6月以来15年ぶりの高水準となった。
ロックダウン(都市封鎖)措置の緩和や累積需要の顕在化を背景にサービス部門の活動が拡大した。
ロイターがまとめた市場予想は58.8。5月は57.1だった。50が好不況の分かれ目となる。で
IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済は過去15年で最高のペースで拡大している。企業は需要の急増を報告しており、製造業から、特に接客業など、さらなるサービス部門にわたって、幅広い分野でますます改善が広がっている」と指摘した。
HSBCのプライベートバンキング・ウェルスマネジメント部門最高投資責任者(CIO)、ウィレム・セルズ氏は「ワクチン接種の加速と感染者数の減少が制限措置の緩和を可能にし、消費者の信頼感を強めている」と指摘。「サービス、特に消費は力強いモメンタムとなっており、今では欧州経済で一番の成長原動力だ」と述べた。
6月のユーロ圏サービス部門PMI速報値は58.0で、前月の55.2から上昇。2018年1月以来の高水準となった。ロイターがまとめた市場予想は57.8だった。新規受注指数は約14年ぶり高水準の57.7と、前月の56.6から上昇しており、今後も拡大の勢いが続くとみられている。
6月のユーロ圏製造業PMI速報値は63.1と、5月改定値から横ばい。ロイターがまとめた市場予想は62.1への低下だった。
生産指数は62.4で、前月の62.2から小幅に上昇した。
ただ、供給面の制約や旺盛な需要を背景に、製造業が必要とする原材料の市場は売り手市場となっており、製造業の投入価格指数は88.0と、前月の87.1から上昇し、調査を開始した1997年6月以降で最高となった。
INGのBert Colijn氏は「投入価格の上昇でインフレ圧力は引き続き強まった。これら調査の問題は価格上昇を示した企業の数を測っており、上昇の程度ではないことだ。今回の経済再開局面では、インフレペース期待が誇張された可能性がある」と語った。
今月のロイター調査によると、インフレ圧力の兆しが出ているものの、欧州中央銀行(ECB)は景気を支援するため、金融緩和政策を継続する見通し。
新型コロナの流行が最悪期を過ぎたとの期待を背景に、企業全体の楽観度は2012年7月の統計開始以降で最高を記録。総合先行き生産指数は70.6から71.6に上昇した。