[ワシントン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日に公表した6月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は62.6と、統計が製造業全体をカバーするために改定された2009年10月以降で最高となった。ただ製造業者は依然として原材料と適切な人材の確保に苦戦しており、企業や消費者物価の上昇をもたらしている。市場予想は61.5だった。
5月の製造業PMI確報値は62.1だった。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。製造業は米経済の11.9%を占める。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で移動規制が導入されたため需要がサービスからモノに移行した。その後、ワクチン接種や政府による数兆ドル規模の景気刺激策により経済活動が広範に再開したが、モノの需要は底堅さを保っている。需要の急増に供給が追いつかず、未完成品が積み上がったり原材料や完成品の価格が急騰したりしており、物価上昇圧力が高まっている。
IHSマークイットは「供給業者の納品までにかかる期間が過去最長となった」と述べた。
仕入価格を示す指数は83.8と、最高となった。5月は78.1だった。IHSマークイットは「企業がコスト増を転嫁するために販売価格を急速に押し上げた」と述べた。
新規受注指数は前月から低下した。IHSマークイットは「企業が人材を見つけたり労働者の再就職を促したりすることに苦戦した」とも指摘した。
サービス業PMIは64.8と、5月の70.4から低下したものの、依然として統計を開始した09年10月以来2番目の高い水準だった。サービス業は米経済の3分の2以上を占める。サービス業の企業は適切な人材や働く意欲のある人材を探せないことや物価上昇に対して懸念を示した。
サービス業が前月から低下したことで双方を合わせた5月の米総合PMIは63.9と、5月の確報値である68.7から低下した。