[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日発表した5月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.1%減と、市場予想の0.6%増に反して落ち込んだ。一部の製品が不足していたことが要因とみられる。ただ出荷は底堅く伸び、設備投資が第2・四半期も堅調だったことを示唆した。
4月のコア資本財受注は2.7%増だった。
5月の前年同月比は16.3%増。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に需要がサービスからモノに移り、政府が経済への打撃を和らげるために大規模な景気刺激策を導入したことで、設備投資は過去3四半期、2桁台の伸びが続いた。ワクチン接種が進み広範な経済活動が再開する中で需要がサービスに戻りつつあるものの、モノの需要も依然好調だ。ただ米経済の11.9%を占める製造業は労働力と原材料の不足に直面しており、供給不足が値段を押し上げている。
前月比の内訳は、機械や組立金属製品、コンピューター・電子製品が減少した。一方、電気機器・家電は1.3%増だった。
国内総生産(GDP)で設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は0.9%増加した。4月は1.0%増だった。
シティ・グループ(ニューヨーク)のエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「供給の問題が依然として非常に大きいため、今後数カ月間にわたって供給不足が需要を阻害しているという懸念すべき兆しがないかなど、需要に関する様々な兆候を注視することが重要だ」と述べた。
全体の耐久財受注は2.3%増と、4月の0.8%減から持ち直した。耐久財受注はトースターから航空機まで3年以上使われるモノを指す。輸送機器が7.6%増加し、全体水準を押し上げた。民間航空機の受注は27.4%増。米航空機大手ボーイングのウェブサイトによると、5月の受注は73件と、4月の25件から拡大した。自動車・同部品は2.1%増。4月は8.1%減だった。
受注残は0.8%増だった。4月は0.4%増加していた。