[25日 ロイター] - 米ミシガン大学が25日に発表した6月の消費者信頼感指数(確報値)は85.5と、5月確報値の82.9から上昇した。富裕層の景気見通しが改善したことで押し上げられた。
ただ、速報値の86.4からは下方改定された。ロイターがまとめたエコノミスト予想は86.5だった。
ミシガン大学の調査部門ディレクター、リチャード・カーティン氏は「6月の上昇分の全ては年収10万ドルを超える世帯のものだった」と述べた。
また、向こう1年で失業が減少するとの予想を示した消費者の割合は56%と、過去最高となった。
現況指数は88.6と、5月の89.4から低下。速報値の90.6からも下方改定された。
期待指数は83.5と、5月の78.8から上昇。ただ速報値の83.8からはやや下方改定された。
カーティン氏は「パンデミック(世界的大流行)が徐々に収束に向かっているとの楽観的な見方が出る一方、新型コロナウイルス変異株の台頭リスクが懸念されている」とし、「消費者が貯蓄をパンデミック前の水準まで引き下げる公算は小さく、万が一のためにより多くの貯金を維持すると予想される」と述べた。
期待インフレ率は1年先が4.2%と、10年ぶりの高水準だった5月の4.6%から低下した。 5─10年先は2.8%と、5月の3.0%から低下。米連邦準備理事会(FRB)当局者は5─10年先のインフレ期待をより重視している。
カーティン氏は「消費者も物価上昇はおおむね一過性のものとの見方を示している」と指摘。「経済が力強さを増す中、消費者の約4分の3が向こう1年で金利が上昇すると予想した。この割合は、米経済がピークに向かっていた2018年以来の大きさだった」と述べた。