[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日に発表した5月の工業部門企業利益は、前年同月比36.4%増の8299億2000万元(約1285億8000万ドル)だった。原材料価格の上昇でマージンが低下する中、増益率は4月の57%から大幅に鈍化した。
中国経済はCOVID─19(新型コロナウイルス感染症)流行による打撃からおおむね回復したが、原材料価格の上昇や世界的なサプライチェーンの逼迫といった新たな課題に直面している。
統計局の担当者は、コモディティー(商品)価格の上昇に伴い、上流と下流部門の間の収益性格差が拡大していると指摘。「景気回復の土台はまだ、しっかりとしたものではない」との認識を示した。
同担当者によると、金属・化学・石油セクターで利益が急速に伸びる一方、より規模の小さい下流の企業には圧力が強まっているという。
工業部門企業利益は1─5月は3兆4200億元で、前年同期比83.4%増加した。