[東京 16日 ロイター] - 日銀は16日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2021年度の実質国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の前年比4.0%から3.8%に引き下げた。一方、消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)見通しは、エネルギー価格の上昇を反映し従来の前年比0.1%から0.6%に引き上げた。
22年度の成長率を従来の前年比2.4%から2.7%に、コアCPIは0.8%から0.9%にそれぞれ引き上げた。23年度は成長率1.3%、コアCPI1.0%でそれぞれ据え置いた。
国内景気の現状については「新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」とする従来判断を据え置いた。海外経済も「ばらつきを伴いつつ、総じてみれば回復している」との見方を維持している。
輸出や生産、設備投資の従来判断は据え置き、消費も「サービスの下押しが強く、足踏み状態」、住宅投資も「下げ止まっている」を維持した。
コアCPIの前年比は目先ゼロ%程度で推移し、エネルギー価格上昇や携帯電話通話料金引き下げの影響がはく落することにより徐々に上昇率を高めていくとしている。
金融システムに関しては、コロナの影響で金融機関の収益下押しが長期化すると金融仲介が停滞方向に向かうリスクがあり、利回り追求で金融システム面の脆弱性が高まる可能性があると指摘している。