[マニラ 20日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)は20日、アジアの開発途上国の今年の経済成長率を7.2%に下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大が理由。
4月時点の予測は7.3%だった。「アジアの開発途上国」には中国、インドなどADB加盟46カ国・地域が含まれる。
来年の経済成長率予測は5.4%。4月時点の予測は5.3%だった。
ADBのチーフエコノミスト、澤田康幸氏は「アジア太平洋地域は、新型コロナ禍からの回復が続いている。ただ、新たな感染拡大、新たな変異株、一様ではないワクチン接種ペースにより、道のりは依然として不確かだ」と述べた。
国別では、中国の経済成長率予測を今年8.1%、来年5.5%で据え置いた。
インドの経済成長率予測は今年10%、来年7.5%。4月時点の予測は、今年11%、来年7.0%だった。
東南アジアでは、今年のインドネシアの経済成長率予測を4.5%から4.1%に、タイは3.0%から2.0%に、マレーシアは6.0%から5.5%に、ベトナムは6.7%から5.8%にそれぞれ修正した。
シンガポールの今年の経済成長率予測は6.0%から6.3%に上方修正。フィリピンの経済成長率予測は4.5%で据え置いた。
大半の東南アジア諸国については、来年の経済成長率予測を据え置いた。インドネシアは5.0%、マレーシアは5.7%、フィリピンは5.5%、シンガポールは4.1%、ベトナムは7.0%。
ただ、タイの来年の経済成長率予測は4.5%から4.9%に上方修正した。
同氏は「封じ込め措置とワクチン接種に加え、貿易、製造、観光などの経済活動を段階的かつ戦略的に活性化することが、グリーンで包摂的な底堅い景気回復を実現する上で重要になる」と述べた。