[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.4%増の586万戸と、5カ月ぶりにプラスに転じた。ただ高い住宅価格と少ない在庫を背景に緩やかな伸びにとどまった。市場予想は590万戸だった。
地域別では北東部と西部、中西部で増加。人口の多い南部は横ばいだった。
6月の前年同月比は22.9%増だった。
中古住宅は米住宅販売の大半を占める。
販売価格中央値は前年同月比23.4%増の36万3300ドルだった。販売が高価格帯の住宅に集中していることが一因だ。全国的に入札合戦が標準的な購入方法となっている。ただNARは、複数の入札が入る物件は減ってきていると述べる。
住宅在庫は前年同月比18.8%減の125万戸だった。6月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.6カ月。前年同月は3.9カ月だった。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされる。
エコミストは、住宅価格上昇の背景には需給のミスマッチがあるとし、住宅バブルが発生しつつあるわけではないとの見方を示す。2008年の世界金融危機は、不適切な融資慣行が引き金だった。
6月に住宅が市場で出ていた期間は17日間と、5月同様、過去最短だった。販売された住宅の89%が、市場に出ていた期間が1カ月を下回った。初回住宅購入者の割合は31%。前年同月は35%だった。