(英文の訂正により4段落目の理事会メンバーを「6人」から「5人」に、男性人数を「4人」から「3人」に訂正します)
[ワシントン 13日 ロイター] - バイデン米大統領は連邦準備理事会(FRB)の銀行監督担当副議長にサラ・ブルーム・ラスキン元FRB理事を指名した。また、エコノミストのリサ・クック氏とフィリップ・ジェファーソン氏をFRB理事に指名した。事情を知る関係筋が明らかにした。
同筋によると、ホワイトハウスは13日遅く、上院に大統領指名人事を送付した。
これで定員7人のFRB理事ポストの空席が埋まることになる。クック、ジェファーソン両氏は黒人で、ラスキン、クック両氏は女性。上院で人事が承認されれば、FRB首脳部は人種と性で史上最も多様性に富んだ顔ぶれになる見通し。
現在の理事会メンバーは5人(訂正)で、全員が白人、うち3人(訂正)が男性だ。バイデン氏の指名により、7人の理事のうち4人が女性となる。
ホワイトハウスはコメントを控えた。
<前途多難>
今回の指名について上院銀行委員会の共和党有力議員からは即座に否定的な声が上がり、険しい承認手続きが見込まれる。
パット・トゥーミー上院議員(ペンシルベニア州選出)は声明を発表し、ラスキン氏について「深刻な懸念を抱いている」と指摘。同氏が石油・ガス会社への銀行融資を抑えようとしたり、FRBの最大雇用と物価安定という2つの責務から逸脱したりするのではないかと考えていると明らかにした。
また、クック氏とジェファーソン氏に対しても懐疑的な見方を示し、両氏が「FRB理事を務めるのに必要な経験、判断力、政策的見解」を持っているかどうかを「綿密に検討する」とした。
ラスキン氏はFRB理事を4年間務めた後、2014年から17年まで財務副長官に抜擢された。昨年末にFRBを去った前任のクオールズ氏よりも厳しい監視の目をウォール街に向けるとみられている。
ミシガン州立大学の経済学・国際関係学教授であるクック氏は、黒人女性として初めてFRBの理事を務めることになる。人種間の格差やジェンダー不平等がもたらす経済的影響について幅広く執筆している。
ジェファーソン氏は、デイビッドソン大学(ノースカロライナ州)の教授兼上級管理職で、黒人男性としては15年超ぶり4人目のFRB理事となる。賃金、貧困、所得分配について幅広く執筆している。
トランプ前大統領の下で経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたケビン・ハセット氏はジェファーソン氏について、「信じられないほど賢いエコノミスト」で、上院で速やかに承認されるべき真摯な学者だと称賛。「彼はFRBが持つべき高潔で真面目な人物だ」と述べた。