[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が8日発表した1月の鉱工業生産指数は前月比2.7%上昇した。穏やかな気候で建設作業が前月から回復した。
市場予想は0.5%上昇だった。昨年12月は1.1%上昇に上方修正された。
しかし、生産は新型コロナウイルス危機以前の水準を依然3%下回っている。
VPバンク・グループのチーフエコノミスト、トーマス・ギッツェル氏は「材料や原料の不足が産業の回復にブレーキをかけている」と指摘。ロシアのウクライナ侵攻が3月のデータに影響を与えるため、今回の上昇は一時的なものだと付け加えた。
「過去2年間のサプライチェーン(供給網)の目詰まりが改善しようという時に、ドイツの産業は次の問題に見舞われている」とINGのカルステン・ブルゼスキ氏は述べた。
ギッツェル氏によると、ウクライナは自動車用ケーブルハーネスの中核供給元。現地の生産が行き詰まったため、自動車メーカーは既に一部の生産を停止せざるを得なくなったという。
同氏はまた、欧州連合(EU)がロシアにエネルギー禁輸措置を取れば、工業生産は大きく落ち込む可能性があると付け加えた。
ブルゼスキ氏は「ドイツ経済は先行きが非常に不透明で、明白なスタグフレーションリスクが日増しに高まっている」と語った。