[リマ 20日 ロイター] - 南米ペルーのトレス首相は20日、操業が停止しているサザン・コッパーのクアジョーネ銅山周辺で非常事態を宣言すると発表した。生産再開を目指す。
同国では、国際的な商品高にもかかわらず主要鉱山の利益が地域社会に還流されていないとして、近隣住民が抗議活動を強めており、国内銅生産量の2割相当がストップしている。
クアジョーネは、近隣住民が鉱山への水の供給を止めたことを受けて2月28日から操業を停止。住民は経済的な見返りや将来の利益分配を求めている。
カスティジョ政権はこれまで非常事態宣言の発令に消極的だったが、トレス首相は20日、「(住民らは)50億ドルという理不尽な要求をしている」とし、「このため政府は非常事態宣言に至った。問題を即時解決する必要がある」と述べた。
中国の五鉱資源(MMG)のラスバンバス銅山も、近隣住民が抗議活動で敷地内に立ち入ったため20日から操業を停止している。