［ロンドン ２０日 ロイター］ - 英国の６月消費者物価は４０年ぶりの高い伸びを記録した。ガソリン、食品価格の上昇が主因。イングランド銀行（英中央銀行）が来月、０．５％ポイントの利上げを決定する可能性が高まった。
国立統計局（ＯＮＳ）が２０日発表した６月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は前年比上昇率が９．４％。５月の９．１％から予想以上に加速し１９８２年２月以来の高水準となった。
ロイターがまとめた市場予想は９．３％上昇だった。
６月の上昇率は主要７カ国（Ｇ７）の中で最高。
項目別ではガソリン価格が前年比４２％上昇。食品は約１０％上昇した。
ＩＣＡＥＷのエコノミクスディレクター、スレン・シル氏は「インフレ高進で８月の０．５％利上げの動きが強まっているとみられる。しかし過度な引き締めは景気後退リスクを高める一方で、物価上昇をもたらしている国際的な要因にはほとんど対処できない」と指摘した。
コアインフレ率は前年比で５．８％。５月の５．９％からわずかに低下し市場予想と一致した。
しかしインフレ圧力が高まる兆しも出ている。
製造業の資材などの調達コストを反映する生産者物価投入指数は前年比で２４．０％上昇し、統計を取り始めた１９８５年以降で最大の上昇となった。
出荷・販売価格を反映する生産者物価産出指数は前年比１６．５％上昇。１９７７年９月以降で最大の上昇率を記録した。
ザハウィ財務相は統計を受け、物価高騰に直面しているのは英国だけでないとした上で、中銀と協力してこの問題に取り組んでいると述べた。