[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米リアルター協会(NAR)が20日に発表した6月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.4%減の512万戸と、2020年6月以来2年ぶりの低水準となった。減少は5カ月連続。過去最高となった販売価格と金利の急上昇が重しとなった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は538万戸だった。
地域別では北東部で横ばい。中西部、西部、南部で減少した。
全体の販売戸数の前年同月比は14.2%減だった。
販売価格(中間値)は前年同月比13.4%上昇の41万6000ドルと過去最高を更新。前年同月比での2桁の上昇は23カ月連続で1970年代後半以降で最長となった。
販売は引き続き高価格帯に集中している。価格が10万─25万ドルでの販売戸数が前年同月比31%減となり、50万ドル未満の販売戸数が2桁減となった一方、50万ドル以上の販売戸数は緩やかに増加した。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅ローン金利も住宅価格も短期間で急激に上昇し過ぎている」とし、潜在的な住宅購入者に引き続き打撃になっていると述べた。
在庫は126万戸と5月から9.6%増加。前年同月比では2.4%増と2019年以降で初めて増加に転じた。
6月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は3.0カ月。5月は2.6カ月だった。健全な需給バランスは6─7カ月とされている。
住宅が市場に出ていた期間は14日間と過去最短。初回購入者の割合は30%と5月の27%から上昇。現金のみによる販売の割合は25%だった。
米抵当銀行協会(MBA)によると、30年固定住宅ローン金利の6月の平均は約6%と年初の約3.3%から上昇している。
オックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は「2021年以降の住宅価格と住宅ローン金利の上昇により、住宅ローンの毎月の支払額が平均で約700ドル56%上昇した。これにより数百万人の購入者が市場からはじき出された」と指摘。「投資家や若い世帯からの根強い需要が住宅販売を下支えしているようだが、住宅価格の伸びが鈍化しなければそうもいかなくなる」と述べた。