[ブダペスト 23日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は23日、欧州連合(EU)の対ロシア制裁は効果が出ておらず、新たな戦略が必要との考えを示した。また、ハンガリーはウクライナ戦争に関与しないと再度表明した。
オルバン氏は以前、EUの禁輸措置やロシア産ガスの輸入制限を支持しないと述べている。ハンガリーは輸入ガスの85%をロシア産に依存しており、輸入を制限すれば国内経済に打撃を与える。
オルバン氏は欧米の戦略について、1)北大西洋条約機構(NATO)の武器でウクライナはロシアに勝利できる、2)制裁はロシアを弱体化させて政権指導部を不安定にする、3)制裁の打撃は欧州よりロシアの方が大きい、4)各国が欧州を支持する──の4本柱で成り立っていると説明。欧州の政権は「ドミノ倒し」のように倒れ、エネルギーは高騰し、戦略は失敗に終わったとして、新たなやり方が必要と述べた。
ロシアの軍事力がウクライナ軍を上回ることを踏まえると、ウクライナがこの戦争に勝つことはないと指摘した。
ロシアとウクライナの間で和平交渉が行われる可能性は低いとし、「ロシアが安全保障を望んでいる以上、この戦争はロシアとアメリカの和平交渉によってのみ終結可能だ」と述べた。