[モスクワ 20日 ロイター] - ロシアの財務次官や中央銀行副総裁を歴任したオレグ・ビューギン氏はロイターのインタビューで、ロシア経済はウクライナ侵攻を巡る欧米の制裁発動前は年間で5─6%成長する軌道にあったが、制裁によって何年も経済が停滞し、技術的進歩も阻まれる見通しになったと述べた。
同時に、ロシアは制裁による制約を克服する方法を見いだしたため、30─40%の効果しか出ておらず、大惨事には至っていないと指摘。ただ、急増するロシアの輸出収入が落ち込めば深刻な問題が生じると予想した。
「1─2月は極めて強い経済成長を見通すことができたが、実際はマイナスの影響があり、5%増ではなく4%減となった。つまり制裁が効いているということだ」と述べた。同氏は今年、モスクワ証券取引所の役職を退任した。
「数字は振れるかもしれないが、ロシアの経済成長過程が数年にわたり中断されるというのが制裁の主な結果だ」と語った。
輸出収入が高水準にとどまる間は強力に景気を支援するが、輸出に大幅な制限が課せられた場合は「深刻な痛み」が生じ、マイナス成長の次のサイクルが起きるとした。
輸入依存度が高い技術部門には制裁効果が時間差を伴い波及すると予想。「状況が変わらなければ、ロシアは技術開発のレベルが徐々に低下していくだろう」との見方を示した。