[2日 ロイター] - 米半導体大手クアルコムは2日、スマートフォン販売の急減を受け、2023年第1・四半期(10━12月)の売上高が92億─100億ドルになるという見通しを示した。市場予想を少なくとも20億ドル下回った。
リフィニティブのまとめたアナリスト予想は120億2000ドル。
見通しを嫌気し、引け後の時間外取引でクアルコムの株価は7%下落した。
第1・四半期の調整後の1株当たり利益見通しも2.25─2.45ドルになると予想。アナリスト予想の3.42ドルを下回った。
同業インテルやアドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)も業績予想を下方修正しており、需要低迷が業界全体に影響を及ぼしているようだ。
IDCのアナリスト、ナビラ・ポパル氏は、スマホ市場の回復は23年前半から後半にずれ込む可能性があると指摘。「需要は世界的に減少しているが、中国や新興国市場で特に顕著で、これがスマホ市場を最も圧迫している」と語った。
2022年第4・四半期(7━9月)の携帯電話向け半導体事業の売上高は40%急増。一方、WiFiやブルートゥース向け半導体事業の売上高は20%減少した。
クアルコムは依存低減を目指してきた米アップルからの受注が増加。1─3月期には韓国サムスン電子が使用するチップのシェア拡大による効果が出始めるとしており、明るい材料もあった。
同社は、23年のiPhone発売で高速通信規格「5G」モデムのシェアの大部分を占める見込みだとし、20%としていたこれまでの予想から上方修正した。25年度にはアップルからの寄与度が最小になるとの想定も明らかにした。
サミット・インサイツ・グループのアナリスト、キンガイ・チャン氏は「10─12月期はアップルが成長をある程度けん引すると考えている。だがアンドロイド市場は極めて弱く、数カ月前に発売された多くの高級折り畳みスマホの新モデルは販売が不調だ」と述べた。