[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比4.2%減の142万5000戸となった。一戸建て住宅が約2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。住宅ローン金利の高騰を背景に住宅市場は低迷している。市場予想は141万戸だった。
9月の着工件数は前回発表の143万9000戸から148万8000戸に上方改定された。
10月の前年同月比は8.8%減だった。
住宅市場の大半を占める一戸建て住宅の着工件数は6.1%減の85万5000戸で2020年5月以来の低水準となった。4地域全てで減少した。
5戸以上の集合住宅の着工件数は0.5%減の55万6000戸だた。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、期間30年の住宅ローン固定金利の平均は7%を上回り、2002年以来の高水準となっている。
10月の着工許可件数は2.4%減の152万6000戸。一戸建てが3.6%減の83万9000戸、集合住宅が1.9%減の63万3000戸だった。
今回の結果は、需要が鈍化しても供給はタイトな状態が続くことを示唆しており、住宅価格の全面的な下落は起こりにくくなる可能性がある。
LPLファイナンシャル(ノースカロライナ州)のチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「借入コストの上昇と住宅建設業者の建設手控えにより、住宅着工が2019年の水準より冷え込めば、短期的には全国の住宅不足が深刻化する可能性がある」と述べた。