[ニューヨーク 21日 ロイター] - 資産運用世界最大手ブラックロック傘下のブラックロック・インベストメント・インスティテュートは21日のノートで、投資適格社債についてオーバーウエートの度合いを高める姿勢を明らかにした。バリュエーションの面で妙味が増したことや、利回り上昇に伴うインカムゲイン増加の期待が理由だ。
投資適格社債市場の指標とされる「ICE BofA米国社債指数」の利回りスプレッドは、今年に入って約50ベーシスポイント(bp)拡大。投資家がより安全な米国債と比べて要求するリスクプレミアムが増大したことが反映された。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げで景気が急減速するとの観測を受け、同スプレッドの水準は先月に一時170bpを超え、2020年初め以降で最も高くなった。ただここ数週間でやや落ち着き、先週末は145bpだった。
同社は、投資適格級企業のバランスシートは健全で、想定しているような緩やかな景気後退(リセッション)であれば切り抜けられると指摘。またリセッションは、投資適格社債よりも高利回り債により影響を及ぼすとみている。
一方政府債については、根強いインフレを根拠にアンダーウエートの判断を維持した。相対的には長期債より短期債の方が好ましいという。