[香港/ロンドン 26日 ロイター] - スタンダード・チャータードが26日に発表した第1・四半期決算は、税引前利益が21%増加し、アナリスト予想を上回った。金利上昇に伴いキャッシュマネジメント業務の収入が増加し、リテール向け商品の販売も好調だった。
第1・四半期の税引前利益は18億1000万ドルで、前年同期の14億9000万ドルから増加し、アナリスト14人の予想平均の14億3000万ドルを上回った。
ビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は、今年の収入の伸びは従来予想レンジ上限である10%程度になるとの見通しを示した。
金利上昇で融資収入が増加する一方、取引部門は市場変動で顧客のトレーディングが増加、四半期利益は2014年序盤以降で最大となった。
法人向けキャッシュマネジメント業務の収入は3倍に拡大、リテールバンキング部門の収入も53%増加した。
一方、物価上昇や中国での事業展開に伴う採用経費などが膨らみ、経費は5%増加した。
信用減損額は前年同期の1億9800万ドルから大幅に減少し、2600万ドルにとどまった。
同行は、中国の商業用不動産市場に安定化の兆しが見られると指摘。経済再開と支援措置の効果が出始めており、信用減損額は前四半期から増えていないと述べた。
同行幹部は先月の業界会合で、中国の不動産政策の方向性は改善したが「実体経済の活動と不動産プロジェクトの販売活動はまだ以前の状況に戻っていない」と指摘していた。