［東京 １３日 ロイター］ - ドル／円 JPY= ユーロ／ドル EUR= ユーロ／円 EURJPY= 午後３時現在 １２２．６０／６２ １．１１４０／４４ １３６．５９／６３ 午前９時現在 １２２．４９／５１ １．１１２８／３２ １３６．３２／３６ ＮＹ午後５時 １２２．７９／８３ １．１１６５／７０ １３６．９５／９９
午後３時のドル／円は、ニューヨーク市場午後５時時点に比べ、若干ドル安／円高の １２２円後半。ドル／円は、過去２回の月曜日と同様に、ギリシャをめぐる不透明感から ギャップダウンして始まったあと、切り替えして反発したが、そのあとは方向感に乏しい 展開となった。
ドルは早朝の取引で一時１２１．９５円まで下落。ギリシャをめぐる協議が土日で決 着するとの期待で前週末に円売りが進んだ分を返上した。しかし、ドルはその後まもなく 切り返して上昇し、午前９時以降は１２２円半ばから後半での一進一退となった。 日経平均株価は前日比３００円を超える上昇となり、２万円を回復したが、ドル／円 は株高に追随しなかった。
東京市場では「ここからは安易にショートに振れない。１２２円前半では買いだろう 」（国内金融機関）との声が出ているが、先週は１２０円半ばから１２２円台へと２円程 度上昇しており、「この先、１２３円台となると売りが先行しそうだ」（同）とされ、下 値は堅いが上値も重い環境が続いている。
市場では、ギリシャ情勢の進展と１５─１６日に予定されるイエレン米連邦準備理事 会（ＦＲＢ）議長の半期議会証言を見極めたいとの声が出ていた。先週末にはイエレン議 長の講演で年後半の利上げ開始に含みを持たせる発言があり、ドル買いが強まる場面があ った。
＜ユーロ、厳格なドイツに批判も＞
ユーロは１．１１ドル前半から半ば付近で、底堅い展開となった 東京時間の午後に、シュルツ欧州議会議長は１３日、一時的なギリシャのユーロ圏離 脱は協議していないと述べたことが伝わり、若干のユーロ買いとなった。
独フランクフルター・アルゲマイネ紙は１２日、ドイツ政府は、新たな支援を求め てギリシャが提出した改革案が改善されない場合、ギリシャを一時的にユーロ圏から離脱 させて債務減免を行うことを提案していると報じた。 ドイツ連立与党に筋によると、同文書はメルケル首相、ガブリエル副首相、ショイ ブレ財務相の会談後にまとめられた。
文書はギリシャの改革案について「最も重要な改革分野」が欠けているとし、「より 持続可能な解決策が必要」と指摘。一段と厳しい対策をギリシャに強いるか、一時的なユ ーロ圏離脱という「２つの道」を提案している。
一方、ギリシャの債務減免をめぐるドイツの厳しい姿勢については、フランスの著名 経済学者トマ・ピケティ氏が「ドイツは他の国に説教できるような立場にない」と批判し ている。 ドイツは第一次大戦後の対外債務も、第二次大戦後の債務も返済しなかったと、ピケ ティ氏は指摘したうえで、戦後ドイツ経済の奇跡的復活については、少なくとも過去に債 務免除を受けたことが一助となったとの見方を示し、ギリシャに対しても同様の措置が取 られるべきだと主張している。
ＦＰＧ証券代表取締役の深谷幸司氏は、ギリシャについて「支援条件である税制や年 金改革を１５日までに議会で法制化できるかというハードルはあるが、期限までにできな かったからといって、ギリシャが即ユーロ離脱ということにはならないだろうし、ユーロ システム全体がダメだということになりそうもない」と述べ、ユーロ安余地は限定的との 見方を示した。
中国問題については、「株は（政府の介入で）下げ止まっているが、実体経済はどう なのかという懸念がある。減速基調が止まらなければ、中期的に米国経済への影響も考え られ、米利上げの抑制要因なるかどうか見ておきたい」と同氏は言う。
＜投機筋はポジション圧縮＞
ギリシャ問題や中国問題を背景に、投機筋はポジションを圧縮している。
米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）が先週末に発表したＩＭＭ通貨先物の非商業（投 機）部門の取組（７日終了週）では、円の売り越しが６万３６２９枚に減少した。前週は ７万８８２２枚だった。ギリシャ支援協議が決裂するおそれや中国株安が意識され、リス ク回避ムードが出ていた。 ユーロの売り越しも９万９２６６枚に減少した。前週は１０万００３５枚だった。
(為替マーケットチーム)