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[ロンドン 23日 ロイター] - S&Pグローバル/CIPSが23日発表した8月の英総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.9と、新型コロナウイルス禍の2021年1月以来の低水準となり、経済成長率が第3・四半期にマイナスに転じる可能性を示した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想も下回った。好不況の分かれ目となる50を下回るのは1月以来。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、第3・四半期の国内総生産(GDP)が0.2%減少することをPMIが示していると指摘。「インフレと闘いは景気後退リスクの高まりという重い代償を伴っている」と指摘した。
英国のインフレ率は昨年11.1%と41年ぶりの高水準を記録した後もなかなか低下せず、7月は6.8%と主要国の中で最も高かった。しかしウィリアムソン氏は「数カ月中に」4%まで低下すると予想した。
8月は生産価格の伸びが21年2月以降で最小だった。また製造業の生産価格の下落は16年2月以降で最大だった。
製造業PMIは42.5と7月の45.3から低下し、20年5月以来の低水準となった。
サービスPMIも48.7と前月の51.5からに低下し、1月に記録した2年ぶりの低水準に並んだ。
ウィリアムソン氏は「生活費の急増や金利の上昇、輸出の減少、景気の先行きに対する懸念によって需要がますます打撃を受け、企業は商品やサービスの注文が減ったと報告している」と述べた。
顧客の製品在庫削減は金融危機中の09年3月以来の速いペース。ただ削減には限界があるため一過性に終わることを製造業者は期待している。
向こう1年の全体的な景況感は8カ月ぶりの低水準だったが、新型コロナの感染拡大前の平均とほぼ同水準だった。