[シドニー 5日 ロイター] - 豪連邦統計局が5日発表した第2・四半期の経常収支統計によると、外国人観光客・留学生の流入で輸出が急増した。家計消費の低迷を相殺し、経済成長を押し上げる要因になったとみられる。
観光客や留学生による支出はサービス輸出に分類される。
この日発表の別の統計によると、第2・四半期の政府のインフラ支出も高水準で、国内総生産(GDP)がマイナス成長となるリスクが大幅に低下した。
連邦統計局のデータによると、第2・四半期の純輸出のGDPへの寄与度は0.8%ポイントと、市場予想の2倍以上となった。
政府支出の寄与度は0.5%ポイント。大半のアナリストは寄与度をゼロと予想していた。
これにより、在庫の寄与度であるマイナス1.0%ポイントを十二分に相殺できるとみられている。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのマクロ経済予測担当ヘッド、ショーン・ランケーク氏は「サービス輸出が12.1%の大幅増となった。留学生と観光客が増加した」と指摘。
統計局によると、留学生の数は第2・四半期に新型コロナウイルス流行前の水準に戻った。
ランケーク氏は「これにより、第2・四半期のGDPは、内需への逆風が強まっているものの、プラス成長になるだろう」と述べた。
家計消費は高インフレや金利上昇が圧迫要因となっている。
第2・四半期の経常黒字は名目ベースで77億豪ドル(49億6000万ドル)に縮小。輸出品であるコモディティーの多くが値下がりした。
第2・四半期の交易条件(輸入価格に対する輸出価格の比率)は7.9%低下と、2009年半ば以来最大の落ち込みを記録した。