■中期経営計画の概要と進捗状況
キリン堂ホールディングス (T:3194)は2015年2月期−2017年2月期の3ヶ年にわたる第1次中期経営計画を策定し、現在取り組んでいる。
同社は従来から3ヶ年ローリング中期計画を発表してきたが、グループ再編で持株会社制に移行したのを機に、固定式中期経営計画を新たに策定した。
第1次中期経営計画の基本テーマは1)収益力の改善、2)経営効率向上と徹底したコストコントロール、3)新規出店による売上高成長、の3点から成る。
1)と2)は同社の利益率が低いことに対する対策であり、利益の成長戦略と言える。
3)は文字どおり売上高の成長戦略だ。
この第1次中期経営計画の先には「2020年2月期に売上高1,500億円・500店舗体制」という長期目標が存在している。
現行の第1次中期経営計画は、次期の第2次中期経営計画のための基盤強化、準備運動の期間であり、第2次中期経営計画で成長・飛躍を実現し、2020年2月期の業績目標到達を目指すという流れだ。
第1次中期経営計画は長期ビジョン2020年2月期を目指した通過点という位置付けであるため、定量目標は最終年度である2017年2月期の業績目標だけが示されている。
当初中期経営計画は売上高116,000百万円、営業利益3,480百万円、売上高営業利益率3.0%、ROE(自己資本利益率)11%以上、というものであった。
この当初業績計画に対する進捗・達成状況は言わば1勝1敗というのが弊社の評価だ。
詳細は業績動向の項で詳述するが、同社は2017年2月期業績予想において売上高120,400百万円、営業利益2,470百万円を予想している。
売上高は当初中期経営計画を上回る一方、営業利益については計画に対して1年遅れで走っているという状況だ。
こういうケースでは、利益が計画に未達である点が強調される傾向がある。
しかし弊社では売上高が予算を上回った点を評価すべきだと考えている。
なぜならば同社は利益成長及び利益率改善も売上高の増大の結果として成し遂げることを大前提としているためだ。
利益を作りに行くことは対症療法的対応でも可能なことも多いが、売上高の成長トレンドを作り上げることは根本がしっかりしていないと難しいというのが弊社の理解であり、同社はそこができていると評価している。
業績計画以外にも同社は、2016年2月期までの実績を踏まえて前述の3基本テーマに基づいた定量目標を見直した。
内容を精読すると、スケジュール面での遅れや販売動向、制度変更の影響など、現実の動きに即して、実態に合わせて目標を見直したものとなっていることが読み取れる。
PB比率の目標引下げも、消費者の嗜好が食品分野でPBよりもNB品に向いている現実を受け止めた結果であり、PBを無理やり拡大せずに柔軟に方針を転換したということはポジティブに評価できると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
同社は従来から3ヶ年ローリング中期計画を発表してきたが、グループ再編で持株会社制に移行したのを機に、固定式中期経営計画を新たに策定した。
第1次中期経営計画の基本テーマは1)収益力の改善、2)経営効率向上と徹底したコストコントロール、3)新規出店による売上高成長、の3点から成る。
1)と2)は同社の利益率が低いことに対する対策であり、利益の成長戦略と言える。
3)は文字どおり売上高の成長戦略だ。
この第1次中期経営計画の先には「2020年2月期に売上高1,500億円・500店舗体制」という長期目標が存在している。
現行の第1次中期経営計画は、次期の第2次中期経営計画のための基盤強化、準備運動の期間であり、第2次中期経営計画で成長・飛躍を実現し、2020年2月期の業績目標到達を目指すという流れだ。
第1次中期経営計画は長期ビジョン2020年2月期を目指した通過点という位置付けであるため、定量目標は最終年度である2017年2月期の業績目標だけが示されている。
当初中期経営計画は売上高116,000百万円、営業利益3,480百万円、売上高営業利益率3.0%、ROE(自己資本利益率)11%以上、というものであった。
この当初業績計画に対する進捗・達成状況は言わば1勝1敗というのが弊社の評価だ。
詳細は業績動向の項で詳述するが、同社は2017年2月期業績予想において売上高120,400百万円、営業利益2,470百万円を予想している。
売上高は当初中期経営計画を上回る一方、営業利益については計画に対して1年遅れで走っているという状況だ。
こういうケースでは、利益が計画に未達である点が強調される傾向がある。
しかし弊社では売上高が予算を上回った点を評価すべきだと考えている。
なぜならば同社は利益成長及び利益率改善も売上高の増大の結果として成し遂げることを大前提としているためだ。
利益を作りに行くことは対症療法的対応でも可能なことも多いが、売上高の成長トレンドを作り上げることは根本がしっかりしていないと難しいというのが弊社の理解であり、同社はそこができていると評価している。
業績計画以外にも同社は、2016年2月期までの実績を踏まえて前述の3基本テーマに基づいた定量目標を見直した。
内容を精読すると、スケジュール面での遅れや販売動向、制度変更の影響など、現実の動きに即して、実態に合わせて目標を見直したものとなっていることが読み取れる。
PB比率の目標引下げも、消費者の嗜好が食品分野でPBよりもNB品に向いている現実を受け止めた結果であり、PBを無理やり拡大せずに柔軟に方針を転換したということはポジティブに評価できると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)