[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が14日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.1%減少となった。前四半期は0.4%増と3四半期ぶりにプラス成長を回復していたが、再びマイナスに転じた。貿易戦争や外需の減少で輸出が落ち込んだことが響いた。アナリストの予想も前期比0.1%減だった。
INGのアナリスト、カーステン・ブルゼスキ氏は「ドイツ経済の黄金の10年が終焉(しゅうえん)を迎えたことがはっきりした。貿易摩擦や世界経済を巡る不確実性、自動車業界の苦境がここにきて経済を直撃している」と述べた。
第2・四半期は、季節調整前の前年比で横ばい。日数調整後の前年比では0.4%増で、第1・四半期の0.9%増から伸びが鈍化したものの、アナリストの予想(0.1%増)は上回った。
経済省は、英国が欧州連合(EU)から強硬離脱する公算が大きい中で見通しはさえないと表明した。アルトマイヤー経済相はGDP統計が警鐘を鳴らしていることは事実だが、景気後退(リセッション)に陥っているわけではないとし「経済は軟調局面にあるが、景気後退ではなく、適切な対策を講じれば景気後退入りを回避できる」と強調した。
政府報道官は、政府として現時点で経済安定に向け追加策を講じる必要はないと認識していると表明した。
連邦統計庁は輸入以上に輸出が前期比で大きく落ち込み、成長を下押ししたと説明した。下支え役は内需で、個人消費、政府支出、固定資産形成が前期比でプラスとなった。建設業が第1・四半期の成長を押し上げたが、第2・四半期は低迷した。
ウニクレディトのアナリスト、アンドレアス・リース氏は「この1年のドイツ経済はほふく前進だった」と述べ、輸出業者にとって不確実要因が多く今年後半の回復は見込みづらいと指摘した。
GDP速報値を受け、ドイツ10年債利回りは、過去最低のマイナス0.623%に低下した。
キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム氏は「ドイツは景気後退の瀬戸際だ」と指摘。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱が現実になれば、輸出業者がさらに大きな打撃を受ける恐れがあるとの見方を示した。
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