[モスクワ 15日 ロイター] - ロシアと米国は「囚人交換」の協議を続けており、スパイ容疑でロシアで服役中の元米海兵隊員ポール・ウィラン受刑者の解放が今後2、3カ月のうちに確実になる可能性がある。ウィラン受刑者の弁護士が15日ロイターに語った。
ウィラン氏は2018年12月、機密文書を所持していたとしてモスクワのホテルで連邦保安当局に拘束され、ロシアの裁判所が昨年6月、スパイ活動を理由に禁錮16年の判決を下した。同氏は米国とカナダ、アイルランドのパスポートを所持していた。当人は容疑を否認し、米政府も釈放を求めている。
弁護士は「私はロシア側の治安当局と話をしている。彼らによると(囚人交換)交渉が進行している。交換を巡る問題は解決されるだろう。私が理解している範囲では、(交渉の)主導権のようなものが見えてきた。特にバイデン政権になって、米国側が主導権を握り始めたと思う」と述べた。
この弁護士は、囚人交換の対象にやはり元米海兵隊員でロシアの警官に暴力を振るったとして禁錮9年を言い渡されたトレバー・リード受刑者が含まれるかどうかについては、発言できる立場にはないと答えた。