愛知銀行 (TOKYO:8527)は、愛知県を地盤とした地方銀行(第二地銀)として、地元の中小企業及び個人向け取引を主力としている。
店舗数は、愛知県が98店(うち、名古屋市48店)、岐阜県4店、三重県2店、静岡県1店、東京都1店、大阪府1店の計107店。
2015年3月期末の預金残高は2兆6,408億円(愛知県内シェア7.39%)、貸出金残高は1兆6,583億円(同シェア8.69%)。
創業以来、一貫した「堅実経営」と「地域密着型営業」に徹することにより、地元経済の発展とともに成長を遂げてきた。
2015年3月期の業績(銀行単体)は、コア業務純益が前期比16.9%減の7,076百万円と減益であったものの、経常利益は前期比15.5%増の9,290百万円、当期純利益は同15.3%増の5,674百万円と増益となった。
また経常利益、当期純利益は、同行の増額修正計画を上回る結果となった。
貸出金利回りの低下による貸出金利息の減少がコア業務純益を圧迫したものの、与信費用の減少(貸倒引当金戻入益の増加)や有価証券関連損益の増加などが経常利益の増加に寄与した。
同行は、当期純利益が計画を上回ったことから、2015年3月期の期末配当を期初予想の35円から45円へ10円増配し、年間配当では1株当たり80円(配当性向14.9%)とした。
同行は、2014年3月期を初年度とする3ヶ年計画「第9次中期経営計画」を進めている。
顧客基盤の更なる強化、経営効率の改善、ソリューション機能の一層の強化を重点テーマとして、持続的かつ安定的な収益の確保を目指しており、当初策定した各施策(アクションプラン)に対してはここまで順調な進捗をみせている。
ただ、金利情勢が計画策定時に想定したものから大きく乖離しており、本業の収益を示すコア業務純益の減額修正を行った。
しかし、一方で与信費用の減少が経常利益を引き上げる状況が続いており、経常利益、当期純利益を増額修正した。
その結果、最終年度となる2016年3月期の業績予想(銀行単体)について同行は、コア業務純益を第9次中期経営計画の当初計画9,500百万円から1,800百万円減額修正し7,700百万円、経常利益を当初計画5,000百万円から1,900百万円増額修正し6,900百万円、当期純利益を当初計画3,000百万円から1,200百万円増額修正し4,200百万円と見込んでいる。
なお、経常利益及び当期純利益が前期比では減益見込みとなるのは、貸倒引当金の戻入益を前期よりも低く見積もっていることによる。
コア業務純益を、減額修正するものの前期比では700百万円の増益目標とし、第9次中期経営計画の中心テーマである「コア業務純益の減少に歯止めをかける」ことに拘っていく。
弊社でも、貸出金利回りの低下が利益を圧迫する状況は当面継続するものと想定しているが、有価証券配当金利息の増加や役務取引等利益の増強、さらに経費削減などにより同行予想の達成は可能であると判断している。
むしろ、今期についても、貸倒引当金戻入益の動向が、経常利益及び当期純利益の上振れ要因となる可能性に注目する必要がある。
また、頭取交代に伴う新体制の下、第9次中期経営計画の締めくくりと次の経営計画に向けた取り組みに注目したい。
■Check Point ・顧客企業に対するコンサルティング機能の強化を進める ・15/3期の経常収益はほぼ横ばいとなったが、利益は大幅な増益 ・預金残高は第二地銀全体よりも高い伸び率 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
店舗数は、愛知県が98店(うち、名古屋市48店)、岐阜県4店、三重県2店、静岡県1店、東京都1店、大阪府1店の計107店。
2015年3月期末の預金残高は2兆6,408億円(愛知県内シェア7.39%)、貸出金残高は1兆6,583億円(同シェア8.69%)。
創業以来、一貫した「堅実経営」と「地域密着型営業」に徹することにより、地元経済の発展とともに成長を遂げてきた。
2015年3月期の業績(銀行単体)は、コア業務純益が前期比16.9%減の7,076百万円と減益であったものの、経常利益は前期比15.5%増の9,290百万円、当期純利益は同15.3%増の5,674百万円と増益となった。
また経常利益、当期純利益は、同行の増額修正計画を上回る結果となった。
貸出金利回りの低下による貸出金利息の減少がコア業務純益を圧迫したものの、与信費用の減少(貸倒引当金戻入益の増加)や有価証券関連損益の増加などが経常利益の増加に寄与した。
同行は、当期純利益が計画を上回ったことから、2015年3月期の期末配当を期初予想の35円から45円へ10円増配し、年間配当では1株当たり80円(配当性向14.9%)とした。
同行は、2014年3月期を初年度とする3ヶ年計画「第9次中期経営計画」を進めている。
顧客基盤の更なる強化、経営効率の改善、ソリューション機能の一層の強化を重点テーマとして、持続的かつ安定的な収益の確保を目指しており、当初策定した各施策(アクションプラン)に対してはここまで順調な進捗をみせている。
ただ、金利情勢が計画策定時に想定したものから大きく乖離しており、本業の収益を示すコア業務純益の減額修正を行った。
しかし、一方で与信費用の減少が経常利益を引き上げる状況が続いており、経常利益、当期純利益を増額修正した。
その結果、最終年度となる2016年3月期の業績予想(銀行単体)について同行は、コア業務純益を第9次中期経営計画の当初計画9,500百万円から1,800百万円減額修正し7,700百万円、経常利益を当初計画5,000百万円から1,900百万円増額修正し6,900百万円、当期純利益を当初計画3,000百万円から1,200百万円増額修正し4,200百万円と見込んでいる。
なお、経常利益及び当期純利益が前期比では減益見込みとなるのは、貸倒引当金の戻入益を前期よりも低く見積もっていることによる。
コア業務純益を、減額修正するものの前期比では700百万円の増益目標とし、第9次中期経営計画の中心テーマである「コア業務純益の減少に歯止めをかける」ことに拘っていく。
弊社でも、貸出金利回りの低下が利益を圧迫する状況は当面継続するものと想定しているが、有価証券配当金利息の増加や役務取引等利益の増強、さらに経費削減などにより同行予想の達成は可能であると判断している。
むしろ、今期についても、貸倒引当金戻入益の動向が、経常利益及び当期純利益の上振れ要因となる可能性に注目する必要がある。
また、頭取交代に伴う新体制の下、第9次中期経営計画の締めくくりと次の経営計画に向けた取り組みに注目したい。
■Check Point ・顧客企業に対するコンサルティング機能の強化を進める ・15/3期の経常収益はほぼ横ばいとなったが、利益は大幅な増益 ・預金残高は第二地銀全体よりも高い伸び率 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)