[東京 19日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、底堅い展開が予想される。6年10カ月ぶりの高値で引けた日経平均は過熱感が意識されつつも、ドル高/円安基調の継続期待から、主力輸出株を中心に買いを集めやすい地合いが続く見通し。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)やスコットランド独立をめぐる住民投票など重要イベントを通過したこともあり、一服感から利益確定売りに押される局面も見られそうだ。
日経平均の予想レンジは1万6000円─1万6700円。
ドル/円 JPY=EBS が109円前半まで強含んだことを背景に、19日の日経平均は昨年来高値を更新し、2007年11月以来の水準まで回復した。FOMC後のドル高/円安と米国株高に加え、スコットランド独立回避に伴う市場心理の改善、さらに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用見直しに関する安倍首相の前向きな発言などが追い風になり、「まるで盆と正月が一緒に来たような相場だった」(国内証券)との声も聞こえた。
急ピッチな円安とともに、日本株に対しても短期的な過熱感に対する警戒が意識されつつある。ただ、主要企業の想定為替レートが1ドル100円前後であることから、中間決算の発表シーズンを前に、業績予想の増益修正への期待も根強い。市場からは「FOMCやスコットランドといったイベントが無難な結果となった。短期的には1万6500円ぐらいまで上げそうだが、出尽くし感から利益確定売りが出る可能性もある」(野村証券エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏)との声が出ている。
来週は国内では22日に8月のショッピングセンター、スーパー、コンビニ売上高が公表される予定。消費増税後の反動減の長期化が指摘される中で、弱含みの数字が出ることに対して市場はある程度は織り込みが進んでいるものとみられる。もっとも、さえない内容の国内景気指標の発表が続く一方で、日本株については「きょうの株高で一挙にムードが変わった。高値警戒感が出てくるとみられるが、先行きへの期待感が高まっている。足元では配当権利取りの動きも下支えになるだろう」(光世証券執行役員の西川雅博氏)との見方も広がっている。
ただ、前年末の日経平均の終値が1万6291円31銭だったことを考慮すると、「日本株はようやくスタートラインに立ったところだ」(国内証券)との声も聞こえる。米国市場では史上最大の新規株式公開(IPO)となる可能性がある中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディングス BABA.N の上場を控える。同社上場後の米国株市場の動向にも注視が必要になりそうだ。
主なスケジュールでは国内ではほかに、26日に8月消費者物価指数(CPI)、9月東京都区部CPIが発表される。なお23日は休日。企業決算は24日にキリン堂ホールディングス 3194.T 、25日にニトリホールディングス 9843.T 、26日にアオキスーパー 9977.T などが予定する。
海外では23日に中国9月HSBC製造業PMI速報値、ユーロ圏9月製造業PMI速報値が公表される予定。24日に独9月Ifo業況指数が発表されるほか、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁が米経済について講演する予定。26日にアトランタ地区連銀のロックハート総裁が経済・金融政策について講演するほか、米4─6月期GDP確報値の発表が予定されている。
(株式マーケットチーム)
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