■株式相場見通し
予想レンジ:上限19500-下限18900円
来週は引き続き北朝鮮情勢を見極めることになろう。
9日にICBMの発射が行われなければ、一先ず安心感につながることになりそうだが、太陽表面での強い爆発(太陽フレア)によって電子機器が影響を受ける可能性があるなかで、発射延期は想定内といったところである。
一方で9日の北朝鮮・労働新聞(電子版)では、ICBMなど「最先端武器」をさらに製造していかなければならないと主張。
米国は北朝鮮への新たな制裁のため11日に国連安全保障理事会で決議案の採決を求める。
北朝鮮への石油禁輸は実現とはならないだろうが、新たな制裁内容次第ではミサイル発射の可能性もあるとみられ、懸念要因が払拭されることはさなそうだ。
また、足元で円高傾向が強まってきていることも手掛けづらさにつながりそうである。
米国の利上げ観測が後退し、米長期金利が低下するなか、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入りやすい。
さらに米国では先日の大型ハリケーン「ハービー」に続いて、観測史上最強レベルまで発達したハリケーン「イルマ」がフロリダ州を直撃するとみられており、被害拡大が警戒されることもドルが売られやすい地合いになろう。
そのため、積極的な売買は引き続き手控えられる可能性が高く、インデックスに絡んだリバランス中心の商いになりそうだ。
そのため、日経平均は足元のもち合いレンジ水準での推移が続くことになろう。
また、足元で急落による需給悪化が警戒される中小型株であるが、強制ロスカットに伴う需給整理は進捗し、一先ず一巡したとみられる。
イレギュラー的に下落した銘柄等への自律反発を狙った短期的な資金は入りやすいだろう。
また、イベントとしてはアップルの新製品発表会があるため、電子部品等のアップル関連のほか、AR/VR、顔承認、ワイヤレス給電、有機ELといった分野への波及が期待される。
また、需給状況が良好な次世代電池関連にも引き続き資金が流入しやすいだろう。
その他、独・フランクフルト国際自動車ショーが開幕するため、足元で好調な次世代電池への関心も続きそうである。
さらに、翌週に控えているゲームショウへの思惑から、急落が目立ったゲーム株への見直しも意識されてきそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は米朝間の緊張状態は続いており、地政学リスク増大に対する警戒感は低下していないことから、リスク選好的なドル買いは引き続き抑制されるとみられる。
14日発表の8月消費者物価指数(CPI)など経済指標内容を点検し、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内追加利上げの可否を見極めることも必要となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
9月11日(月):機械受注、工作機械受注、中元建て新規貸出額など
9月12日(火):中古車販売台数、英消費者物価コア指数、アップル新製品発表など
9月13日(水):国内企業物価指数、ユーロ圏鉱工業生産指数、米財政収支など
9月14日(木):マンション発売、中小売売上高、米消費者物価コア指数など
9月15日(金):米NY連銀製造業景気指数、米小売売上高、ユーロ圏財務相会合など