[東京 30日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 午後3時現在 118.59/61 1.1087/91 131.49/53 正午現在 118.79/81 1.1113/17 132.02/06 午前9時現在 118.98/00 1.1110/14 132.20/24 NY午後5時 119.00/06 1.1126/31 132.40/44
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の 118円半ばだった。日銀決定会合で金融政策の現状維持が発表され、30銭程度弱含ん だ。その後は株価が下げ幅を拡大する中、戻りが鈍く、黒田東彦総裁の会見待ちの様相と なった。
午後1時過ぎ、日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持したと伝わると、ドル /円は118.90円付近から一時118.60円まで下落した。一部の海外勢が追加緩 和を期待していたとされ、政策据え置きでドル売り/円買いが強まったとみられる。
その後、日経平均が下げ幅を拡大したことを受け、午後2時前に118.54円まで 下押しされた。市場では「5月中旬あたりのセル・イン・メイが日米イベント通過で意識 されているのかもしれない。債券、株にも調整売りが出やすい」(クレディ・アグリコル 銀行の外国為替部エグゼクティブディレクター、斎藤裕司氏)との声が出ていた。
午後3時にかけては、心理的節目の118.50円を割り込まなかったことで、下げ 渋った。チャート的には2月以来の下値である118.30円どころがサポートとして意 識されているという。黒田総裁の会見を見極めたいとの思惑も働いた。
ドル/円は朝方に119.18円まで上昇し、この日の高値を付けたが、その後はじ りじりと売り込まれた。前日約2カ月ぶり高値となる132.89円まで上昇したユーロ /円は、朝方の高値132.51円から132円ちょうどまで売られ、ドル/円での円高 にも波及した。
オプション関連の売りオーダーもドルの上値余地を限定的にしているという。実需勢 の動きは鈍く、夕方から、大型連休中のリーブ・オーダーを準備する予定だとの声も出て いた。
<原油反発とBEI上昇で米10年国債利回り2%台>
予想外に弱い米1─3月国内総生産(GDP)など、米国では弱い景気指標が続いて いるにもかかわらず、米10年国債利回りは、前日一時2.0810%まで上昇し、1カ 月半ぶりの高水準となった。午後3時時点で同利回りは2.0246%の気配となってい る。
市場では「米金利の低下過程では、原油安やFRBの早期利上げ観測後退などが背景 となっていたが、足元では、原油価格が上昇し、BEI(ブレーク・イーブン・インフレ 率)を押し上げ、長い方(中長期債利回り)が上昇している」(SMBC日興証券のシニ ア金利ストラテジスト、野地慎氏)との声が出ていた。
さらに、低利回りのドイツ国債との比較から、米国債が選好されていた部分について は、ドイツ国債の利回り上昇を受けた米国債ロングの巻き戻しが、利回り上昇に貢献して いるという。
原油価格 Clc1 は3月18日に1バレル=42.03ドルを付けたあと切り返して上 昇トレンドに入った。午後3時現在で58.55ドル付近となっている。
ただ、この反発過程で「投機筋の間では、ロングが相当たまってきていると考えられ 、60ドルの手前では売りが出てくるだろう。その際には、原油安とBEIの反落で、米 国債のショートカバー(利回り低下)が予想される」と野地氏は述べ、現在の米長期金利 の上昇基調が維持されないとの見方を示した。 一方、ドイツ国債については「財政黒字の国で(国債の供給が少ないなか)、ECB が買い入れにコミットしているので、利回りが継続して上昇する余地は限られる」と同氏 は言う。
(為替マーケットチーム)