[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は9日、米製薬大手ファイザーが19日から新型コロナウイルスワクチンの供給を3倍超に増やし、週約100万回分に引き上げると発表した。豪州では現在、最大都市シドニーが今年最悪の感染拡大に直面している。
モリソン首相は、9月に供給を受ける予定だった450万回分のファイザー製ワクチンが8月に供給されると明らかにした。
また、医療専門家の助言に変更がなく、供給が継続的に行われれば、接種資格のある全居住者に年内に接種できるとの見通しを示した。
豪州は多くの先進国と比べて感染者数を少なく抑えてきたが、ワクチン接種では供給面の問題や、接種計画の柱に据えた英アストラゼネカ製ワクチンに関する専門家の助言変更が影響し、他の先進国に比べて遅れている。
当局者はアストラゼネカ製ワクチンについて、血栓を巡る懸念から過去3カ月に接種推奨年齢を2度変更。現状では60歳以上のみに推奨されている。
これまでにワクチン接種を完了した人は成人人口およそ2000万人のうち10%強にとどまり、連邦政府は各州から60歳未満に使用するファイザー製の供給加速を求められていた。
ニューサウスウェールズ州シドニーは現在、厳格なロックダウン(都市封鎖)を実施しているものの、インドで最初に確認された感染力の強い変異株(デルタ株)の感染封じ込めに苦闘している。