[日経平均株価・TOPIX(表)]日経平均;21049.94;-328.79TOPIX;1581.53;-27.96[後場の投資戦略] 前日の海外市場では、車載用半導体大手である独インフィニオンテクノロジーズが世界経済を巡る不確実性や中国での自動車販売急減速などを背景に、業績予想の下方修正を発表した。
これを受けた本日の東京市場でも、国内関連メーカーとなるルネサス (T:6723)のほか、景気敏感株全般に売りが波及する展開になっている。
これらが指数の重しとなるなか、外部環境としても米中貿易交渉や英国のEU離脱の動向を見極めたいとのムードのほか、政府のリラ売り阻止策の反動で主要指数BIST100が急落したことでトルコへの信用不安も再燃してきている。
3月決算期末を前にした積極的な売買は手控えられるなか、引き続き上値の重さが意識されやすいだろう。
渦中のEU離脱問題では、メイ英首相は議会が自身のEU離脱協定案を可決することを条件に辞任する意向を表明しており、29日に離脱協定案を再び採決することを検討しているもようだ。
しかし、市場参加者の間では「英国は合意なきEU離脱に向かっている」との見方も広がっており、メイ首相の離脱協定案が可決される見込みはあまり大きくないとみられている。
29日までに離脱協定案が可決できなかった場合は、主要通貨に対するポンド売りが強まり、ドル・円やユーロ・円のなどのクロス円相場の動向にも一定の影響を与える可能性が高いだろう。
これにより前述した景気敏感株のほか、為替の影響を受けやすいとされる自動車関連なども手がけにくいとみられる。
そんななか、東証1部では国内外で投資評価引き上げの動きが観測されている小売関連のほか、前場時点で下げ幅を縮小したマザーズ市場などの中小型株に消去法的な買いが向かう可能性は意識しておきたい。
(雲宮 祥士)