[東京 1日 ロイター] - 来週の東京株式市場は堅調地合いが見込まれている。これまでの第1・四半期決算はおおむね良好で、後半戦に対する期待も大きい。好業績銘柄には海外勢の買いが入りやすいという。加えて、堅調な米経済指標を背景にドル高/円安に進めば、上値を切り上げる展開となりそうだ。一方、今年1月中旬にもみ合った1万5800円水準では戻り売りも出やすいと指摘されている。
日経平均の予想レンジは1万5400円─1万5800円。
8月4─8日に予定されている国内企業決算は1000銘柄超。特に週末の8日発表分は400銘柄を超え、1日に続き決算発表の2度目のピークを迎える。前半戦ではホンダ 7267.T や東京エレクトロン 8035.T 、日本ガイシ 5333.T などが業績予想を上方修正し、株高につながったほか、カシオ計算機 6952.T 、ソニー 6758.T 、日東電工 6988.T など良好な第1・四半期決算が評価される銘柄が目立った。
外資系証券トレーダーによると「まだ第1・四半期のため、外国人投資家は強気に傾いているわけではないが、好業績銘柄への評価は高まっている。後半戦への注目度も大きい」と話す。5日に予定されているトヨタ自動車 7203.T をはじめ、建設株や不動産株、商社株など主力どころの決算を控え、個別株物色への強まりが指数上昇に寄与するとの見方が多い。
加えて米景気の改善が日本株の支援材料になるという。堅調な米経済指標を背景とする米早期利上げ観測の強まりは、米国株の下落につながりやすいが、「米長期金利の上昇を通じて為替がドル高/円安に振れれば、差し引きで日本株にはプラス」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)とみられている。
ただ一気に日経平均1万6000円超えとはならなさそうだ。7月31日、8月1日と東証1部の売買代金は2兆円を超えたが、いずれも下げ局面での商い増加であり、上値を買う投資家は依然として乏しい。1万5800円水準には戻り待ちの売りも控えているとみられ、「売り物をこなしながらじりじりと上値を切り上げていく展開」(ネット系証券)が想定されている。
主なスケジュールでは、7日にJPX日経インデックス400 .JPXNK400 の銘柄入れ替えが発表される。同指数に連動するパッシブファンドの運用資産額はさほど大きくないとみられるが、初の銘柄入れ替えに市場の関心は高い。
市場集計では、新規採用候補として大塚ホールディングス 4578.T 、セイコーエプソン 6724.T 、アイフル 8515.T 、大和証券グループ本社 8601.T 、沖電気工業 6703.T など、除外候補としてTOKAIホールディングス 3167.T 、トモニホールディングス 8600.T 、ソニー 6758.T 、ワタミ 7522.T 、スカイマーク 9204.T などが挙げられている。
7─8日に日銀金融政策決定会合が開催される。8日はオプションSQ(特別清算指数)算出日となる。
海外では、5日の7月米ISM非製造業景気指数や7日の欧州中央銀行(ECB)理事会などが予定されている。
(株式マーケットチーム)
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