[オタワ 19日 ロイター] - カナダ連邦政府のテレサ・タム公衆衛生局長は19日、新型コロナウイルス感染予防のための行動規制をさらに解除すれば、変異株の広がりにより感染の第3波が起こる恐れがあると指摘し、行動規制を維持するよう訴えた。
カナダでは人口が最も多いオンタリオ州とケベック州で企業活動が段階的に再開され、集会規模の規制も緩和されている。
一方、タム氏は会見で、長期的な感染状況の見通しを踏まえると、行動規制緩和により1日当たりの感染者数は現在の約2900人から2万人に拡大する可能性があると指摘した。
「われわれはパンデミックの重要な時期にいる。より感染力の強い変異株の広がりを予想しており、規制を一段と緩和すれば感染は再び急速に広がるだろう」と警戒感を示した。
国内の医療当局者からは、新型コロナの変異株が感染の第3波を引き起こす恐れがあるとの懸念が相次いでいる。
オンタリオ州政府は19日、国内最大都市トロントのロックダウン(都市封鎖)措置を3月8日まで延長すると発表した。ダグ・フォード州首相は「警戒を緩めることはできない」と述べ、感染予防対策の継続を訴えた。
国内の新型コロナによる死者は2万1498人、感染者は83万7497人達している。変異株の感染者は全ての州で確認されている。