[19日 ロイター] - ドイツ保険大手アリアンツのベンチャーキャピタル部門は、同国のオンライン銀行N26の株式を評価額30億ドルの大幅な割引水準で売りに出している。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が19日、複数の関係筋の話として報じた。
同部門はN26株約5%を2021年の企業評価額(90億ドル以上)に対して約68%のディスカウントで売却するようアドバイザーに委任したという。
9億ドルの資金調達により、N26は欧州で最も価値のあるフィンテックの一つとなった。FTによると、アリアンツ傘下部門はN26にとって最大の外部投資家の一つ。
N26は「既存投資家による市場売却について今のところ把握していない」とした。アリアンツはロイターのコメント要請に応じていない。
FTは公開資料に基づく計算として、株式売却によってアリアンツは約1億6000万ドルのキャッシュを得られる可能性があると指摘。これは投資額が5年間で3倍以上になることを意味するという。
N26は昨年、21年の赤字が1億7200万ユーロ(1億8850万ドル)に拡大し、顧客の伸びが鈍化したと報告。マネーロンダリング(資金洗浄)対策の不備を理由に規制当局から罰金を科されるなどしていた。