28日の日本株市場は、底堅さが意識されるものの、引き続き薄商いの中でのこう着相場が続きそうだ。
27日の米国市場では、NYダウが72ドル安となった。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が米中交渉の経緯について議会証言を行ったほか、米朝首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小しているが、インドとパキスタンを巡る地政学リスクへの警戒感が重石となっている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比変わらずの21560円。
円相場は1ドル110円台後半と、前日からはやや円安に振れて推移している。
パキスタン軍報道官は27日、パキスタン領空でインド機2機を撃墜したことを明らかにしたと報じられている。
インドとパキスタンの緊張が高まる中、エミレーツ航空やカタール航空などが両国行きの運航を停止しており、地政学リスクへの警戒が売買を手控えさせることになりそうだ。
もっとも、米中協議への進展や米朝首脳会談の市場反応を見極めたいとの流れから下を売り込む流れにはなりづらく、全体としては底堅さが意識されやすい。
また、地政学への警戒から先物主導で売り仕掛け的な流れもありそうだが、ポジションが大きく傾くというよりも、短期筋の仕掛け的な動きが中心となろう。
弱含む局面においては、押し目拾いの動きも意識されてくることになりそうである。
とはいえ、積極的な売買は引き続き手控えられるため、個人主体の値幅取り狙いの資金は、足元好調なIPO銘柄を中心とした中小型株に集中しやすいと考えられる。
マザーズ指数は前日まで8営業日続伸と、リバウンド基調が継続。
短期的な過熱感も警戒されやすいだろうが、バイオ株の好調やIPO銘柄の順調な初値形成もあって需給状況は改善傾向にあるとみられる。