■起業の契機
農業総合研究所 (T:3541)社長の及川智正(おいかわともまさ)氏は東京農業大学在学中、卒業論文のテーマとして、「5年後、10年後、100年後日本の農業はどうなるか」という研究を行っている。
その研究を通じて、日本の農業従事者の年齢が上がり、農業生産者が減少するとともに、食料自給率が右肩下がりになっていくということがわかった。
農業の将来にとって悪いデータを見せつけられ、真剣に今後の農業を考えるようになったという。
農業や食料関係で貢献したいと思い続け、商社勤務を経験後、自身で農業を始めた。
統計データには現れてこないことについて農業の現場で働くことで理解を深めていった。
さらに、一農家では限界を感じ、大阪で八百屋を始めた。
そこで気づいたのは、生産者として農産物を作っているときは1円でも高く売りたいが、小売り流通業者として仕入れる際は、農家からの仕入価格を1円でも下げようと買い叩いてしまうということだった。
両方の現場を経験したことで、両者にとって望ましい価格設定の困難さを知ることになった。
流通をコーディネートし、農家にとっても望ましいものに変えない限り、日本の農業はよくならないのではないかと考えたことが同社創業につながった。
和歌山で設立された同社は、2007年10月に始まり、現在10年目に入った。
さらに農業を大事にしたいという熱意と信念から上場に踏み切った。
株式上場では多額の資金調達の必要性よりも、若者に農業関連ベンチャーでも株式上場ができること、農業がビジネスとしても魅力と可能性があるものだということを自ら示すことで、農業全体のボトムアップを図りたいという考えからだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)
農業総合研究所 (T:3541)社長の及川智正(おいかわともまさ)氏は東京農業大学在学中、卒業論文のテーマとして、「5年後、10年後、100年後日本の農業はどうなるか」という研究を行っている。
その研究を通じて、日本の農業従事者の年齢が上がり、農業生産者が減少するとともに、食料自給率が右肩下がりになっていくということがわかった。
農業の将来にとって悪いデータを見せつけられ、真剣に今後の農業を考えるようになったという。
農業や食料関係で貢献したいと思い続け、商社勤務を経験後、自身で農業を始めた。
統計データには現れてこないことについて農業の現場で働くことで理解を深めていった。
さらに、一農家では限界を感じ、大阪で八百屋を始めた。
そこで気づいたのは、生産者として農産物を作っているときは1円でも高く売りたいが、小売り流通業者として仕入れる際は、農家からの仕入価格を1円でも下げようと買い叩いてしまうということだった。
両方の現場を経験したことで、両者にとって望ましい価格設定の困難さを知ることになった。
流通をコーディネートし、農家にとっても望ましいものに変えない限り、日本の農業はよくならないのではないかと考えたことが同社創業につながった。
和歌山で設立された同社は、2007年10月に始まり、現在10年目に入った。
さらに農業を大事にしたいという熱意と信念から上場に踏み切った。
株式上場では多額の資金調達の必要性よりも、若者に農業関連ベンチャーでも株式上場ができること、農業がビジネスとしても魅力と可能性があるものだということを自ら示すことで、農業全体のボトムアップを図りたいという考えからだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)