[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の104円前半。ドルはユーロ/円が3カ月ぶり高値を更新したことや国内勢のフローを受けて104円半ばまで上昇したが、その後は対ユーロでのドル安、米経済指標の悪化、米国でのコロナ感染拡大などの弱い材料が意識され、伸び悩んだ。
ドルは、ユーロ/円での円安の力を借りて午前11時ごろ104.53円までじわじわと上昇した。しかし、その後はユーロ/ドルが2年8カ月ぶり高値をつけるなど、対ユーロでのドル安がドル/円にも波及する形で反落した。
市場がドル買いに慎重な背景には、対ユーロでのドル安に加え、米経済指標の悪化や米国でのコロナ感染拡大があるという。米国では11月、新型コロナ新規感染者数が420万人に達し、10月から倍以上増加した。
ユーロ/ドルは一時1.2125ドルまで上昇し、2018年4月以来2年8カ月ぶりの高値を付けた。ユーロ/円は一時126.64円まで上昇し、9月1日以来3カ月ぶりの高値を付けた。
市場では「リスク選好のユーロ買いが優勢となっている。ユーロは安定的に強いので、短期筋も年内はユーロロングで勝負をかけるつもりだろう」(外為アナリスト)との見方が聞かれた。
来週は欧州中央銀行(ECB)理事会が予定され、あらためてユーロ高をけん制するかどうかが注目されている。
ECBのラガルド総裁は9月10日の理事会後の記者会見で、ユーロ高が物価にマイナスの圧力になるほどなら、注意深く監視しなければならないことは明らかで、理事会で広範囲に議論した、と述べた。
ユーロは当時1.19ドル台だった。
今回もユーロ高けん制がある可能性に備えて、10日のECB理事会前までに短期筋は一部のロングを手じまう余地があるとみられる。
海外市場で急落した英ポンドは139円後半。大詰めを迎えている欧州連合(EU)離脱交渉に一喜一憂する形で上下する展開は変わらず「割り切った短期売買でない限り参戦しづらい」(トレーダー)という。
前日東京市場で140円台を推移していたポンドは、前日、交渉関係者の悲観的な発言報道を受けて、欧州市場で138円後半まで急落。その後は全般的な米ドル安に押される形となり、139円台へ緩やかに切り返した。
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(為替マーケットチーム)