[東京 9日 ロイター] - NTTは9日、海外事業を再編すると発表した。海外でデータセンター事業などを手掛ける100%子会社のNTTリミテッドをNTTデータの傘下に移管し、データの海外事業と統合する。同時にデータ株を2%強追加取得し、連携を強化する。
今回の統合を提案したというデータの本間洋社⾧は会見で、その狙いを総合的なサービスの提供が可能になることだと説明。グループ戦略の一貫性や将来の企業買収も含めた投資余力の拡充、不足しがちな人材の結集、コスト削減などのメリットを挙げた。
データ株の追加取得は、6000万株もしくは1000億円を上限として、市場買付で実施する。取得期間などは未定。NTTの澤田純社⾧は、中期計画で掲げる23年度の1株利益計画の370円に対し「統合費用がかかってくるので、少しでもデータの持ち分を増やして、連携を深めるようにしたい」と話した。
<NTTデータ株、TOBの思惑で一時17%高>
この日午前の東京株式市場では、両社が会見することが伝わると、NTTデータ株が一時17%超急騰。NTTによる「完全子会社化などへの思惑」(国内証券)が手掛かりになったという。
この件について会見で問われた澤田社長は「TOBのような大きなものを場中に発表することはあり得ない。むしろ(株式の取引が)終わってからやるより、時間中にやるということだと、TOBのイメージはなかったのではないかと考えていた」と説明した。
データの上場に関しては「続けたい」と言明。「海外の顧客や投資家から見える形で上場を続けたいと、現時点では考えいる」と述べた。
事業再編の詳細が伝わると、データ株は午後に一転4%超急反落。澤田社長も「非常に(株高の)反応が早くて、落ちる反応も早かった」と驚きの様子だった。