■株式相場見通し
予想レンジ:上限19500-下限19100円
来週は引き続き、トランプ米大統領の発言のほか、米政権の政策実現性等を睨みながらの相場展開になるとみられるが、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長証言にも市場の関心が集まりやすいだろう。
イエレン議長は14日に上院銀行委員会で証言するほか、15日には米下院金融サービス委員会で、金融政策に関する半期に一度の証言を行う。
市場では年内の利上げ回数を3回とする見方が後退しているほか、3月利上げはないとの見方がコンセンサスになっている。
3月利上げに向けた発言をするかが注目されよう。
日米首脳会談については無難に終えた格好であろう。
日米間の経済関係について、麻生副総理とペンス副大統領のもとで対話を進めていくことで一致をした。
日本が名指しで通貨安誘導と批判されることはなかったため、円相場の落ち着きが期待される。
また、トランプ大統領が今月中に大型減税の具体策を発表すると表明しているほか、イエレン議長証言を受け、ドル高・円安の流れが意識される場面もありそうだ。
一方で、トランプ大統領が2国間の貿易協定の締結を目指す姿勢を示していることを踏まえ、自動車問題等への警戒感は拭えない。
10日のADR(米国預託証券)では自動車株が軒並みさえない展開となっており、相場全体の重しになる可能性はありそうだ。
物色としては決算発表が今週で一巡することもあり、改めて好業績銘柄を見直す流れが強まる可能性がある。
年初以降の調整で割安感が意識されている銘柄等への見直しも意識されそうだ。
トランプ物色としては、鉄道網の整備などインフラ(社会資本)整備に力を入れる考えが強調されていることから、インフラ関連に関心が向かおう。
また、金融業界に対してFRBで最も厳しい目を光らせているタルーロ理事が4月5日前後に退任すると伝えられており、金融改革制度の見直しの進展等への思惑から、金融株の動向も注目される。
一方で、米半導体株が足下でやや低迷しており、自動車同様、ハイテク株の不安定な値動きを警戒しておく必要があるだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円はやや強含みか。
トランプ政権による大規模減税などの税制改革への期待は高まり、リスク選好的なドル買いは継続することが予想される。
ただ、減税策などの内容は驚くべきものではないとの見方が広がった場合、主要通貨に対するドル売りがやや強まる可能性がある。
報道によると、トランプ大統領は数週間以内に税制改革案(減税策など)を提示する意向だ。
米経済成長を支援する減税策への期待が広がっており、米国株高は続くと予想されていることから、ドルは底堅い動きを続ける見込み。
ただし、減税策などの詳細は明らかにされていないため、政策内容が市場の高い期待を上回るかどうか、定かではないとの意見もある。
■来週の注目スケジュール
2月13日(月):10-12月GDP速報値、米カナダ首脳会談など
2月14日(火):黒田総裁講演、中消費者物価指数、イエレンFRB議証言など
2月15日(水):米小売売上高、米鉱工業生産指数、英失業率など
2月16日(木):米住宅着工件数、米消費者信頼感指数、G20外相会議など
2月17日(金):英小売売上高指数、米景気先行指数など